感想文 夏山トレ「Yケン尾根」 中廣 正典 昨年やはり夏山トレとしてのYケン尾根山行に参加したのですが、雨模様で岩場を登るのは危険となりトレ抜きの 山行に終わってしまいました。 その際ちょっとばかりアタックしてみたのですが、過去経験した事のない岩、 否崖登りと云った感じを持った記憶が残っていました。そして今年、やはり夏山山行に参加したく且つ一度はアタックして見たかったYケン尾根山行に参加しました。 梅雨の真っ最中の事、九州北部地方は今迄に経験した事のない程の豪雨に見舞われ、濁流に翻弄され亡くなったり、 行方不明者が多数出ているようだ。又こちらでも前日夜半にはザーザーと雨音がする程の雨が降っていた。 予報は曇りだが、「明日は大丈夫だろうか?」と心配し眠りについていた。こんな状況で迎えた当日であったが、 幸い殆ど終日曇りとなった。但し蒸し暑く、喉は水をたっぷり要求しました。 雨は避けられたが、現場のYケンは濡れて滑り易くなっていた事は云うまでも無い。 Yケンには私達のグループが最初に到着した。CLが危険を避ける為のザイルを準備していると6~7人の グループ二組がやはりトレの為相次いでやって来たが、私ども先着者が先だ。 ザイルが張られると続いて、身体確保の為のブルージングの方法をCL、SL、Sさんから教えて貰う。 研修は受けていたが、ヘルメットを着用しての実地は初めてだ。 さて本番、ブルージングがあると何となく気が楽だ。とは云え、今まで十数年あちこち沢山の山に登ってきたが、 取っ掛かりが小さくて足も手も直ぐ外れそうなこんな崖を登った記憶は殆ど無い。 下は千尋の谷底でも足の置き場も手の掴み所もあったが、ここには無い、いや私には無いとしか思えなかった。 やはりトレに選ばれるだけの事はある。最初の崖はアドバイスを受け、ブルージングに戸惑いながらも空荷で往復。 何とかクリアーする。続いてリュックを背負ってのアタック、何とかOKだ。 2番目の崖、否今度は大きな岩だ。ここも最初をクリアーすると後は大丈夫との事だが、 足の置き場はビンズルさんの頭や膝の如くつるつるだ。おまけに濡れている。右足を斜めの岩に踏ん張り、 間髪入れず小さい棚に左足を置きその左足に体重移動する。これが難しい。3点確保と云うが、確保してたら登れない。 イヤー、参りましたね。それでも空荷なので何回かアタックしてる内に、何とかクリアー出来た。上まで行って往復。 今度はリュックを背負ってのアタックだが、10kg弱ではあってもプラスα、数回アタックするもクリアー出来ない。 その内手にも足にも力が入らなくなりギブアップする。力が入らなくては気力だけではこの岩は無理と思ったのだが情けなかった。これも初めての経験。但し、今までは分相応の所にしか行って無かった事も確かだが。 昼食後3番目の尾根を登るが、この岩場は特段の事は無くクリアーする。尚、隣にはオーバーハングの岩があり、 他グループのひとりがアタックしていた。 今日は山行には珍しく、日頃余り使わない頭と神経をフル回転させた為そちらの方が疲れてしまった感じです。 又今回は初めて経験する事が多くあって、大いに勉強になった山行ともなりました。 機会あれば、今回ギブアップした2番目の岩に再アタックしてみたいとも思うのですが、 気力と体調が十分でないとちょっと無理かな、と思っています(それ以上に歳は増えるばかりだし)。 色々指導戴いたCL、SL、Sさんに心からお礼申し上げます。お蔭で勇気を持って夏山に行って来れると思います。 勿論安全第一に! |
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感想文 初めてのYケン尾根 山下 隆 夏山トレーニングとして金比羅山のYケン尾根が計画されていた。過去に何回かYケン尾根の岩場トレーニングが実施されていたが、未だ参加したことがなかった。今夏は、是非とも五竜・鹿島槍コースに参加したい願いもあり、 年齢的にも高い山に行く最後の山になるかもしれないとの思いもある。 いろいろ準備しないとならぬ中に今回の岩場歩きも一つだ。以前、白馬―唐松間の大キレットや宝剣―空木間の岩場 歩き経験はあるも、しばらくご無沙汰だ。Nさん、Sさんは今回の岩場訓練を3回も計画していただき、 頭が下がる思いだ。前2回は都合がつかず、3回目を最初からエントリーしていた。 雨で中止になったら・・・と初めから心配だった。前日、九州では梅雨の大雨での被害が報道され、 京田辺でも、夜半には激しい雨。当日天気は何とかなりそう予報となる。 1.2mのシュリンゲを求めた2,3日後に1.4m物を用意するように指示あるも、小生の胴回りは何とか1.2mで ギリギリ間に合う。ヘルメットはコーナンで1000円(作業用で検査証付)で入手した。 皆さん 山用や自転車用や作業用といろいろ。性能は風通しの機能の違いのようで、 あまり使うものでもないので、これでよし。数千円得した感じだ。 N,Sさんに連れられてのグループは親鳥に連れられてのひよこのよちよち歩きのグループだ。 しかし、ひよこの中にもちゃんと序列があり、男性のNさんと小生はまったくの初めてでひよこ達の最後をついていく。 一日長の姉さんひよこからは、小生が弱音をはくと「そんなことではダメダメ」と、 覚えたばかりのセリフで教育的指導が入る。 初めはブルージックだ(後で、ひよこ達はブルーシックだ いやプルーシックとガヤガヤするも、Nさんに聞く。 発明した人の名前だそうです)。以前、ロープ講習会でSさんに教えていただいたが現場で使うのは初めてだ。 最近はインターネットの動画でロープの結び方が紹介されているので、自習するには助かる。 3点確保と呪文を唱えながら一歩一歩進む。手を伸ばして、まさぐっても指をひっかけられないところもあり、 2.5点確保で「エイー」と声をかけないと昇れないところもある。体重と腕力のバランスが取れてない体は息もタエダエ。 昇りはともかく、下りは足場を探しながらで冷や汗ものだった。 その上、靴底が柔らかい構造ゆえ、引っ掛かりが旨くいかず往生する。親からいただいた身体髪膚、 大事にせねばならぬけれど、Nさんの足は小生より5cmは長く恨めしい。 一息ついたステップでは大原の里の長閑な景色にホットする。 又、足元に頭の色が茶色の蟻さん達がロッククライミングをしていた。90°以上をすいすいと動く。 彼らは6本脚で足の裏は吸盤でもついているようで、スタスタと上がり下がりをしている。 子供の時に、蟻さんをビンにいれ、生態観察をした時を思い出す。まったく、かれらは素晴らしい。 本番では、体作りをし、みんなで喜びを味わいたい。 重ねて、なんどもひよこの面倒をみていただいた Nさん・Sさんに感謝です。 |
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さっそうと先導するリーダー二人 目標達成した喜び |