蕎麦粒山頂上にて |
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山行報告 | 吉川 靖人 | |
植西さんがけがで大事を摂られたので、CLは私でSLは橋本さんにお願いする。橋本さんの情報によれば、当初予定していた谷からのルートとは別に、西尾根からのルートがあるとの事で、急遽時計まわりのルートをとる事にする。林道終点からその尾根を見ると道らしきものが上がっている。タイミングよく地元の人が草刈りをされていたので取付き点を教えてもらう。
初めはけげんそうな態度をされていたが、蕎麦粒登山だと言うと、場がなごみ丁寧に教えてもらった。密魚者にでも間違われたのかな?さて、取付からは刈り込みれた立派な道が尾根まで続いていた。急登とはいえ高度をぐんぐん稼ぐ。熊を警戒してか大きい声をだしながら登る。ホハレ峠からの尾根に合わさったが、本峰がまだ遠くに見える。 30年前、残雪期にホハレ峠から登ったが、雪の上に熊の足跡があったことが思い出される。このあたりから道が怪しくなり、踏跡程度になる。それでも尾根をはずさない様に慎重に確認しながら進む。笹藪を泳ぐようにして進むが、かなり疲れる!根曲がり竹でやたら歩きにくい。なかなか頂上に着かない。そしてやっと頂上に着いたのは1時 感激だ!全員と握手する。いままでの疲れが吹っ飛ぶ瞬間である。目の前には五蛇池・黒津・天狗が見える。 頂上は狭く12人で満杯。山友会貸し切りだ。昼食を30分取り、最初登る予定だった尾根道を下ることにする。小蕎麦粒に登り返し谷への急降下ルートに向かう。またしても笹藪の連続である。しかし道がしっかり足元についているので迷うことはない。 しかし、小蕎麦粒の登りで私の足が攣り始めた。先頭を橋本さんに代わってもらい降りる。それにしても急な尾根だ。登りには使いたくないなあ!やっとの事で谷へ降りる。左の谷を詰めれば五蛇池だ。 ここからは谷沿いに平坦になるが、長い!途中林道が寸断されていて緊張したが、全員無事に車に戻れた。足が交互に攣り、そのたびにストップし皆さんにマッサージをしてもらった。感謝いたしま す。おかげで予定時間をはるかに越えてしまった。陽が長くて良かった。ほんとに登り応えのある山であった。皆さんほんとにお疲れ様でした。 ヒヤリハット 特になし |
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「写真提供は山口さん」 |
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私がこの山行に興味を覚えたのは2つ。一つは過去2回中止になり今回が最後の挑戦という何とも因縁めいているということもう一つは難易度が星3つで登り甲斐がありそうな点でした。それにしても蕎麦粒山(そむぎやま)とは面白い名前の山です。まず普通ではこうは読めません。私自身、この呼び方はインターネットで調べていて初めて知りました。事実、関東(東京都と埼玉県の境)にも全く同じ漢字の山がありまして、こちらは(普通に)「そばつぶやま」と読みます。そんな蕎麦粒山に6月13日挑戦しました。
12名が3台の車に分乗し、林道のどん詰まりで下車、いよいよ山行開始。沢を渡ると(地図で見たとおり)北西方向にいきなりの急登。これで一気に700bの高低差を登りきります。さすがに星3つのことはあるな〜と思いながら汗を拭き拭き尾根のピークに出る。眺望が開けると右手前方に目指す蕎麦粒山が姿をあらわした。下から見た時はそうきつくは感じなかったが、ここから見るとその名の由来どおり蕎麦の実を彷彿とさせる見事な三角形の山容。 ここから進路を北東にとって尾根づたいに進み、三角形の根本にとりつく。さらに角度がきつくなる道なき道を進み登頂開始から4時間、13:00にようやく山頂に到着。ちょうど12名で一杯になるくらいの山頂平地でちょっと遅い昼食となりました。山頂はよく展望が開けており、天気が良ければ奥美濃のパノラマが見渡せる絶好のポイント。あいにく当日は霞がかかっていて遠望はお預けでした。ようやく腹も満ちてさあ下山。 しかしここからが本当の3つ星であったのです。下山開始から、ルートはいきなり身の丈以上の根曲がり竹の藪。この竹藪トンネルを平泳ぎの要領よろしく両手でかき分けかき分け前進、前進、また前進。前の人がかき分けた枝がムチにようにしなって容赦無く顔面に当るので、人と人との距離をとって急斜面を降下。笹の葉で顔はチクチクするは、葉についている粉で喉はいがらっぽく咳は出るは…。藪こぎとはかくあるものかとしっかり体験。悪戦苦闘の末にようやく鞍部の小ピークに到着。ここの白い岩の上に立つと後ろに(下山してきた)三角形の蕎麦粒山が、前には小蕎麦粒山と五蛇池山が見える。 ここから道(とはいってもほとんど登山道らしきものは無く、わずかな踏み分け道を辿っていくコースなのですが…)を右に分けて本格的下山ルートに入る。これがまたすごいヤセ尾根で、崖が草木の枝葉に隠れていて足元を相当注意していかないとならないし、斜面が(登りの時より)さらに急角度で木の根が龍の背のようにボコボコに出ている“悪路”と予想以上の難コースを3点支持で急降下。約400bの標高差をず〜っとこのような状態で下り続け沢まで降りる。そこから沢づたいにダラダラと下っていくと、1ケ所林道がほとんど崩落している場所に遭遇。道はほとんど無くなり20bに渉って(登山者が張ったと思われる)ロープがあるのだが、これが結ばれている木がえらく細く、体重をあずけると危険なため一人づつ慎重に通過。 林道の両側に生い茂る草を払いながら(葉のトゲが結構チクチクと痛い)下り続けると草木の間から、駐車している白い車影がチラホラ見えようやく無事に山行終了。時計は18:15。(当初予定どおり)所要時間は9時間。下山ルートの藪こぎとヤセ尾根の急降下はまさに3つ星に値する印象深い山行でした。それにしても、あまりポピュラーでない山なのでしょうか?山行中、他の登山者やパーティーに(珍しく)一回も出会いませんでした。 |