白馬岳(2,932m)頂上にて |
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山行報告 | 佐々木 英雄 | |
<白馬三山と不帰の嶮、牛首岳から五龍まで縦走記>
高層湿原から溶岩台地を歩き山上湖に。
花の非対称山稜、二重山稜(舟窪)を歩き、白馬岳、杓子岳、鑓ケ岳の三山を縦走し、皆既日食を白馬山荘から見る。 不帰の嶮 踏み行く岩峰の険しさに 一歩一歩に わが汗はおつ この一日、天候に恵まれたことが、無事踏破の最大の要因だと思った。
皆さんの健脚、登高精神の強固さ、技量ともども、素晴らしいものだった。 |
栂池登山口で登山準備 |
白馬乗鞍岳の登りの雪渓 |
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乗鞍岳頂上視界は殆ど利かない |
白馬大池山荘が見えてきた |
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22日 白馬大池山荘の朝出発前 |
出発して程なく山荘を振り返る |
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目の前に子蓮華岳が近づいてきた |
休憩して眺望を楽しむ |
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白馬岳と鑓ケ岳方面が見えてきた |
白馬岳山頂で休憩 |
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白馬山荘が下に |
白馬山荘あたりから日食が始まる |
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杓子岳とその奥に鑓ヶ岳 (日食のため少し暗くなる) |
午前10時59分の三日月? |
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その頃下に大雪渓が見えてきた |
14:30天狗山荘着 |
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早く着いたので夕食まで食堂で歓談する |
外は時々ガスがかかる |
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23日朝5時前に出発して25分で天狗の頭到着 |
前方にこれから目指す不帰嶮や唐松岳を望む |
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右手には遥か立山や剣岳の雄姿が |
天狗の大下り(一気に300m下る)の前に腹ごしらえ |
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霧に包まれ不気味な山容の不帰嶮 |
300mの急坂を慎重に下る |
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下ってきた天狗の頭を不帰嶮から振り返る 殆ど山の下まで一旦下る |
不帰嶮第T峰 緊張しながら登る |
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足元に注意してそろりと進む |
もうすぐ北峰山頂 |
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前方に南峰 もう少しで危険地帯脱出 左は唐松岳 |
唐松岳(2,696m)山頂 |
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唐松岳頂上山荘より登ってきた唐松岳を見る |
唐松岳頂上山荘 |
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頂上山荘でホッとしたのもつかの間再び牛首の危険な岩稜を行く |
こんな標識を見るとよけいに緊張する 転落すれば90%あの世行き |
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岩稜地帯を抜けて一息つく |
五龍岳が眼前に |
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五龍山荘につく頃霧がでてきた |
15時五龍山荘着 |
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夕方、山荘の部屋から五龍岳が見えた |
明日の朝登るのかと楽しみにしていたが |
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24日朝、夜明けに降った雨もやみ五龍岳をあきらめて下山 |
霧の中遠見尾根を下る |
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途中雷鳥の親子に出会う |
眺望は全くきかず |
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地蔵の頭到着 案内図で縦走してきたコースを確認 |
下山後4日ぶりのお風呂に入る |
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登山の後の風呂上りのビールは格別! |
4日間いい山歩きでしたね |
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ビールも一杯ではたりませんね |
帰りのバスの中でも有意義な懇談が続く | |
左は不帰嶮の向こうに聳える唐松岳・五龍岳・鹿島槍 右奥は立山・剣岳 真ん中の遠く奥に肉眼では槍ヶ岳も見えた (天狗の頭より) |
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その後、体調をくずし、1年半位は例会には参加できなかった。参加出来るようになっても5回に一回位はツリがあり、「ツリ名人」の名は健在だった。当時、会員の中にもツリ名人らしき方が2−3人いて、どんな場合に発生し、どうして回避するか話題になった。ある時の山行の感想文に「坊主」だったと、ツリが出なかったうれしさを書いたことがあった。魚釣りに行っても、収穫ゼロの時に「坊主」という表現をするがそれを知らない人もいて、後で笑いをもらったことがあった。 小生の体は使わないでいるとなまっていくのが他の人に比べて早いらしい。なんとかしなければと思う。人生真似っこが一番! Yさんが脚力作りにエージ甘南備山登山をしていることは有名だ。小生も真似して、週に1回は甘南備山か交野山にトレーニングをするようになった。交野山は少し遠いが、急坂があるのでしっかりと汗が出る。PETボトルで約5kgの負荷をかけ、時間を計測し、体調も見る。普段は週に2〜3回は卓球で運動しているが、山歩きの筋肉と違うようだ。何も運動しない日はやはり負荷をかけでマンションの非常階段の上下運動を30分する。昼間だと「変なおじいさん」の称号をもらいそうなので、薄暗くなってからすることにしている。汗もかきビールも上手い。又、腰痛防止に朝起きた時柔軟体操を日課にしているが、今年から取り入れた新しい種目は変形性膝関節症(ひざ痛)予防に有効とされる下半身強化体操です。これは外科医の黒沢尚先生が推奨する体操で両足に1kgの負荷をかけてやる寝っころがり柔軟・ストレッチ体操です。・・・・というわけで、この2〜3年はツリの頻度は15回に1回程度に減らすことが出来、ツレた時も小魚で済むようになった。 先般の御在所での夏山トレでは、短い足での限界近くでの足運びが重なり、とうとう小物のツリがあった。今回の3泊4日の白馬〜五竜縦走では1日に10時間近く歩くので心配だったが、日頃のメンテナンスの効果が出て、厳しい山行を「坊主」で達成できたのは実にうれしかった。但し、山小屋での夢の中では、岩場で滑ったり、足をツッたりした。先頭から2番目を歩くようにとの配慮等マイペース歩行を許してくれた仲間に感謝する。 帰りのサロンバス中での反省会でツリが話題になる。「エー、あの強そうな方がツッタの!」との例がいくつか披露された。今回の小生の健闘をたたえ、「ツリ名人」の称号はそろそろXさんやYさんに譲ったらどうかと話題になった。申し出があり次第、即座にベルトを渡します。ますます元気で山行をエンジョイなさっているYさんや三浦敬三さんのように、いつまでも真似を続け、今後も楽しい山行をと思っています。
3泊4日の縦走と云う事で、当然雨も予想される。そこで靴は今まで何年も愛好して来ている革靴と決めました。日頃日帰り山行では軽い布靴(防水仕様)を使用していますが、革靴により信頼を置いていたからです。 山行初日はpm1時40分頃から歩き始めましたが、その時から軽い雨でした。3時頃からはとうとう本格的に降って来ました。そうこうする内、左足の靴下がちょっと湿って来たのです。乗鞍岳に来た時には明らかに水が入って来ていました。宿泊の白馬大池山荘に到着した時には、左足の靴は水を貯めジャブジャブといった感じになっていました。右は何の変化も無しなのに。 今迄にも雨の際履いていた事もある靴なのですが、こんな事は一度も無かったのは勿論です。帰宅し泥を落とし油を塗った後水を掛けてみましたが、再現は出来ませんでした。一体どこから水が入ったのか?一つ推測しているのですが、大分長い間油を塗る等の手入れを怠っていた為革自体から浸透して来たのかも・・・と。 それにしても右は大丈夫だったのに・・・。機会を見つけ再度雨の中を歩いて、何とか原因を突き止めたいと思っている次第です。北海道大雪山の悲劇を思えば、この大失敗は忘れる訳にはいきません。幸い今回は山小屋に乾燥室があり、且つ翌日からは天候に恵まれた為楽しく山行を楽しむ事が出来ましたが、翌日からも雨だったらと思うと楽しい山行などと言えたものでは無かった・・・と云うことになります。結果的にはOKでしょうが、個人的にはヒヤリハットの大いなる教訓になりました。 懐かしい白馬岳
池の畔の大きな岩に着いたとき、20年前に家族4人で登った記憶がよみがえった。そのとき、白馬山荘での自炊の朝飯がラジウスの故障で少ししか食べられなかったので、昼に白馬大池の大きな岩のところで、故障しているホエーブスを使って4人で腹一杯ラーメンを食べた。 20年前、娘が中1、息子が小5のとき、大糸線白馬駅よりタクシーで猿倉に行き、雪渓を登った。娘は「夏にこんなに雪がある」ことにびっくりしていた。小さなアイゼンを付けて歩いた。私は全部の荷物を持っていたので、中キスで荷物が重く、バテ気味であった。 白馬山荘の手前から強風があり、子供が飛ばされないか心配した、少しずつ前かがみになって進んで山荘までたどり着いた。夕食は自炊で湯を沸かしていたが、ホエーブスの調子が悪く、他の人のラジウスを借りて自炊した。夕食後、小屋の横で見た剣岳はどっしりと座っていた。そのときは、いつか登りたいと思った。 山小屋は満員で夕食後テレビを見てくつろいでいたら、寝床では大勢の人が寝ていて我々の寝る場所が無くなっていた。困って、すぐに山荘の人を呼んで何とかゆずりあって寝る場所を確保していただいた。 翌日、白馬岳頂上より白馬大池におりて、昼食をとり、蓮華温泉を目指した。蓮華温泉に着いたときは疲労困憊で、ふらふらと小さな露天風呂を見に行った。焼酎を飲んで広い大きな部屋で一人寝ていたことを思い出す。風呂は内風呂を何回も入った。あさの朝日が注ぐ風呂は最高でした。 今回の山行は、過酷な富士山行をやめて、佐々木さんの指導で、白馬岳から不帰の嶮・牛首からのやせ尾根を越えて五竜の小屋まで行ったが、距離もあり、アップダウンあり、危険な場所もあって高度感で緊張したが、天気に恵まれ、釼・立山が間近に見えて非常によかったと思います。 不帰の嶮
いよいよ不帰の嶮の登破縦走です。不帰の嶮・何と不気味な名称でしょうか。この岩峰を目指す人は、2度と地上に帰る事が出来ないのでしょうか? 日本の3大キレットの一つ(他は槍、穂高間の大キレット、鹿島槍、五竜間の八峰キレット)見るからに険しい岩峰を形成している。一峰→2峰北→2峰南→3峰と約4時間の工程。ガイドブック、ネットで少々の知識を頭に入れていたが、全面に立ちはだかる垂直の岩壁の岩峰を見ると、心配、恐怖心が先にたつ。訓練登山の御在所岳を思い出して、3点支持確保、自信を持って頑張ろうと縦走開始、順調に1峰を登破し、最大の難所、不帰の嶮と呼ばれている2峰北の登りは、垂直にそそり立つ岩壁、殆んど直線に近い直登の鎖場、鎖場のトラバース、岩場のトラバース、鉄梯子等信州側、黒部側にトラバースし踏破。 緊張の連続でしたが、慎重に、着実に、先輩のアドバイスのお陰で、なんとか2峰北の岩稜にたどり着いた。後峰を振り返ると、良く登破したものだと感嘆するばかりである。2峰南もなんとかクリアーし、最後の3峰を目指すも、なかなか頂上につかない、ガスがかかっていて、眺望もなくイライラしていたら、頂上到着、ちょっとおかしい人が多すぎる。なんと唐松岳山頂(10:50)。3峰はトラバースして、岩稜を通らなかったのです。間違いが、安堵の瞬間でした。終わって不帰の嶮を振り返ると,何とも言えない充実感に浸りました。無事に登破出来たものだと、素晴らしい感動を有り難うございました。先輩メンバー12人に本当に感謝しきれません。滑落の危険が一番あった最大の難所、不帰の嶮登破の成功は、私なりに考えますと。 ・計画の緻密さ。(天狗山荘泊まりで、朝の体力充実の時間帯に登破出来た事) ・ベテランの間に経験不足の人の配置、私はベテランの堀尾さん、濱北さんの間に挟まれての4番目での縦走で非常に恵まれていました。 ・天候に恵まれた事と、早朝登破で、対向者がなく、鎖場等で待つ事なく登破出来た事。 ・ 佐々木リーダー、山口サブリーダー始め、ベテランの指導、指示が良かった事。 ・ 夏山ベストシーズンの白馬三山でしたが、平日で、山小屋がすいていて、部屋も広く使えて体調を整え易かった事。(私は山小屋不慣れで問題外ですが) 追記 4日目の帰りの車中、山友会の色々含蓄あるお話を聞かして戴き今後に役立てて行こう思っています。新人ですが頑張ります。武奈ヶ岳訓練登山1日前に禁煙したら体調良く登山出来たので、今回も19日より禁煙し、縦走に望み、8月になっても禁煙継続中素晴らしい成果ある山行と成りそうです。 |