武奈ヶ岳山頂/ |
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山行報告 | 北川 欽造 | |
最初は15人で現地予約を入れ、参加者募集を行ったが、結果的に10人になったので守口さんと小生の車で行くことになった。一週間ほど前からやはり心配なのはお天気具合だ。出発前日も現地では曇りときどき晴との予想。まあ雨が降らなければ良しとすべきだ。しかし1300〜1600余m標高の山間部では雨の心配は当り前だ。
高山市は有名で誰でもご存知だから、よりマイナー的な古川を散策に選んだ。16世紀末頃より城下町として栄え、飛騨の中心的な存在でその当時の町並みが良く保存され、造り酒屋が軒を連ね、杉玉が下がり、新酒の香りが小径に漂っている。古刹円光寺を訪ね、まつり会館に立ち寄り、小川の流に鯉がたわむれ遊ぶ。屋台蔵、和ろうそくの店、漬物・黒豆茶の店、生味噌のお店……長い歴史と伝統が随所に生きている。昼食は飛騨牛シャブシャブコースで満腹する。 五色ケ原では、一週間前に入山者の登録をし、地元の公認ガイド無しでは入山出来ない。案内センター嬢の親切な対応は、自然を守る姿勢がまざまざと伝わる。二つあるコースの内、カモシカコースを選んでおいた。数々の滝と樹林帯の起伏に富んだ変化コースだ。全長はたったの6.7kmなのに7時間余もかけてガイドの解説を聞きながら辿る。滝の轟音を聞き、清流にはイワナが泳ぎ、針葉樹の巨木、紅黄葉のトンネル、やどり木や熊棚の見上げ、岩かげのヒカリゴケを観察する。一合升が置かれた水場がタイムリーに現れる。湧出する地下水の鮮烈な冷たさとおいしさ。 熊にもカモシカにも出逢わなかったが、彼等が遊び、闊歩する聖域に恐れ多くもトレッキングを続ける。そして柱状節理の岩壁を見上げ、次々現れる個性ある滝のマイナス・イオンを浴びる。春にはサワグルミの林床にニリンソウが見事な群落をつくるそうだ。 コースのほぼ中間地点には烏帽子小屋があり昼食をとる。近くの沢で水力発電され、快適なエコのトイレはすばらしかった。秘境五色ケ原は動植物の生態系、原始の佇まい、地質学、自然環境の保全を学ぶ上で世々代々残したい貴重な聖地だった。コース終点の出会い小屋では冷たく冷えたトマトのサービス付だった。 最終日の三日目は乗鞍高原の散策だ。縦横に歩ける数多くのコースでは、守口さん立案のルートをとる。滝見台から善五郎の滝を見おろし、そして滝の飛沫に近づく。そして池巡り。池や滝、樹林、草原…… あらゆる脇役を従え、乗鞍岳がどこからでも展望出来る。せせらぎの袂では随所で写生に余念のない人たち。快晴のもと、ほとんど無風状態の中で気持良さそうだ。紅いカエデやヤマブドウ、黄緑色のコシアブラ、シラカベ、未だ緑を残すカラマツ……秋が深まってゆく。炭焼きの煙が立ち登り、郷愁と旅情がかきたてられる。飽きない景色の連続だ。立ち寄り湯・湯けむり館で温泉に浸り、最後は盛りソバで仕上げた。 心配とは裏腹に三日間ほとんど快晴に恵まれ、五色ケ原では公認インストラクターの親切で興味ある解説を聞き、三日間も温泉に浸かれた心地良さだった。のんびり山行(山でないかも知れない)で山友会らしくないかも知れないが、たまにはこんな例会もいいなァと思った。 今回も山口さん、守口さんの良き適切なアドバイスに助けられ、吉津さん、加藤さんの名会計役に世話になりました。楽しく旅を成功出来たご協力を参加者皆様に心より御礼申しあげます。 ヒヤリハット な し |
古川町を散策/ |
/ | 円光寺の鐘楼/ |
立ち寄った古いロウソク屋さん/ |
杉玉の有る造酒屋/ |
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五色が原これから出発/ |
五色が原カモシカコース / |
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一日が終りました/ |
乗鞍高原善五郎の滝と乗鞍岳 / |
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乗鞍高原の黄葉 / |
乗鞍高原の黄葉 / |
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乗鞍岳をバックに/ |
乗鞍高原/ |
「写真提供は山口さん」 |
乗鞍 のらり、くらり・・・ | 倉光 正己 |
1.はじめに
2.古川のローソクと鐘
3.五色ヶ原トレッキング
4.ガイド付きトレッキングの評価
5.乗鞍高原
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