26日
9月も終わり近く日が落ちるのも早くなるため出発時間を早め、京田辺を5時に出発した。シルバーウイークも終わり大型連休でないから交通渋滞もなく、須玉ICを降りて瑞牆山荘に着いたのが9時45分頃。移動時間を5時間見ていたが早く着いた。
瑞牆山荘に届けを出し10時に出発した。瑞牆山まで歩行時間を5時間と計画していた。山荘の前が登山口になっており迷う事は全く無い。道は広く最初はハイキング気分だった。第一ポイント富士見平小屋には5分早く着いた、大きな看板(秩父多摩国立公園:瑞牆山・金峰山全体図)の前で昼食にした。富士見平小屋前ではテントが3,4ツ張ってあり、夏場は大賑わいの場所だと思われる。11時15分には瑞牆山の巨大な岩の全貌が見えた。身震いするほどの巨岩の塊が天を突くかの如く聳えて、何人も寄せ付けない要塞だ。途中ハシゴやロープのあるきつい箇所を登りきって山頂に12時50分に着いた。頂上は360度のパノラマだ。ふと見ると元山友会の田中光春さんがタバコをふかしているではないか!思わず「田中さん!田中光春さんでしょう!秋月です」と言葉をかけた、やっと気がついて驚いていた。山で偶然知り合いに会うのはこれで2回目だ。彼は1人で金峰山から瑞牆山へ縦走してきたとの事だった。相変わらずの健脚振りだ。次は鹿島槍ヶ岳・五竜岳へ行きたいと言っていた。下山を一緒にしたが昔話も含めて会話は弾んだ。下山は15時50分で約6時間計画通りに初日は終わった。田中さんは瑞牆山荘前からバスに乗り夜行で帰った。またどこかでお会いしましょう・・・。
ゆっくり風呂に入り汗を流し、その後お酒を酌み交わし歓談、7時過ぎに就寝した。
27日
当初計画は6時出発としていたが、小屋の人に歩行時間を確認すると約8時間、休憩含めると9時間と言う。私達の計画と同じだが、5時半に出発して少し余裕を持つことにした。
夕べは少し飲みすぎのきらいもあるが、4時40分には目を覚まして準備に取り掛かった。
夜中に雨が降ったようで少し濡れていたが、天気は晴れになるようだ。水分は少し多めにし、柔軟体操で体をほぐして予定通り5時半に出発、第1ポイントの富士見平小屋に6時20分に着いた。次のポイント鷹見岩には7時18分着、標準タイムどおりの歩行だ。この間は歩きやすい平行道が多くルンルン気分だった。大日小屋7時33分着、出発から2時間経過で順調に進んでいる。4人が夫々進行確認しながらの山行だ。ここで少し多目の休憩にし、大日岩に8時3分に着いた。それは大きな岩で、どっしりと座っている。その横から瑞牆山が見える、切り立った岩峰だ。大きな大日岩を回りこんだ所が分岐になり、そこからこの大日岩を登る事ができるのだ。
他の15名程度のツアーパーテイーはリユックを置いて上りに行ったが、私達はここはパスすることにした。ここからの眺望は大日岩が大きくせり出しており、近くの木々は紅葉して秩父多摩国立公園の標識が倒れ掛かって残っていた。何となく切ない気分になった。
次のポイントは砂払ノ頭で、ここが森林限界なのだ。かなり急登で全員喘ぎあえぎで大変だった。出発後4時間経過した。砂払ノ頭に着いたら突然視界が開け、瑞牆山の全貌は見える八ヶ岳がうっすらと見える、木々はかなり紅葉が進んできている、右側は数百メートルはあろうかと思われる大キレット、吹き上げてくる涼しい風、思わず「わー!」と恐さとスリルを含めた歓声。
そそり立つ岩、絶壁とはこの事か・・・と思わせる。ここからはずっと岩歩きばかりだ。覗き込むのが怖い、恐ろしい、ゆっくり安全を確認しながら歩いて、手をついて四つん這いになって・・・
こんなところを行くのか!あんな絶壁横を通るのか!
当初計画は金峰山小屋経由で頂上をと思っていたが、恐さを振り払って直接山頂を目指した。振り返ってみれば「石鎚山・天狗岩と同じかと思わせる」尖った山頂を乗り越えて、右側は大キレット、左側はハイマツと紅葉した木々で真ん中に細い道がクネクネとついている。
10時半五丈岩が見えた、多分もう来る事がないだろうと思われる景色を含めて写真をいっぱい撮った。10時38分五丈岩の前に立った。山頂はここから歩いて5分、見ると大勢の人でいっぱいだ。私達は先に昼食をとる事にした。三宅さんは五丈岩を登ってバンザイをしている、記念に1枚撮った。食後、岩をまたぎ乗り越えて山頂へ、若い外人が居たので何処から来た?と聞くと「トウキョー」と言ったが、すぐに「彼はカナダ、私はオーストラリア」と言いなおした。
この絶景の景色に興奮していたのかふざけていたのか・・・両方だろう。
下りは金峰山小屋経由し、小屋には11時45分到着。砂払ノ頭で登って来た道に合流して大日小屋に着いたのが13時54分だった。出発してから8時間30分経過した。少しゆっくり目の休憩にして富士見平には14時47分に着き、15時24分に無事下山した。やはり日本百名山は楽には登らせてくれない、当初計画より1時間多く10時間かかったが、出発を早めたので正解だった。 帰路は瑞牆山荘の推奨の日帰り入浴「明野 ふるさと太陽館:芽の湯」でゆっくり癒して、順調に帰ることができた、京田辺に9時40分に着いた。