黒部五郎岳山頂/ |
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山行報告 | 山口 博 | |
3年前の7月薬師岳に登り、薬師沢小屋では夜の豪雨で、黒部川が増水して登山道が水没していました。雲の平へは無理と諦めていたら、小屋のスタッフが梯子で仮設の橋を架けて呉れ、何とか渡れました。
雨は上がったものの雲の平への登山道は急登の岩場で、まるで滝のようでした。
翌日も朝から雨で、スイス庭園を過ぎて祖父岳の稜線に差し掛かった時、前を歩いていたSさんが強風に煽られ飛ばされかけました。これ以上進むのは危険だと判断して小屋に引返しました。
雲の平小屋の主人の伊藤二郎さんが心配して呉れていて、水晶小屋と三俣山荘に「12時までに着かなければ、偵察隊を出してくれるよう」に連絡し呉れていました。今回はその時のリベンジの山行です。
家を出る時はバケツをひっくり返したような雨でしたが、天気予報の晴れるを信用して出発しました。
8月2日(日) 雨のち晴
8月3日(火)晴
8月4日(火) 晴
8月5日(水) 晴
ヒヤリハット ありません。 |
黒部五郎岳の縦走路 |
黒部五郎岳の従走路 |
黒部五郎岳 |
裏銀座縦走路よりの北アルプス連峰 |
鷲羽岳頂上 |
水晶岳 |
裏銀座従走路 |
水晶岳の下山道 |
スイス庭園 |
スイス庭園 |
写真提供は山口さん |
感想文 |
好天と高山植物に癒された北アルプス縦走
心配された天候は、晴れ男、晴れ女が揃っていたのか、初日こそ時々霧雨が降ったが、2日目以降は好天続きで、眺望を十分楽しむことが出来た。 行程の途中には、黒部五郎岳への登り、黒部五郎小舎から三俣蓮華岳への登り、鷲羽岳への登り等、急登も随所にあったが、雲ノ平をはじめとするお花畑があちこちにあり、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ、チングルマ、キンコウカ、ゴゼンタチバナをはじめとする高山植物が咲き乱れ、疲れを癒してくれた。 また、今回登った山は、いろんな場所で、ことなる表情を見ることができた。特に、鷲羽岳からみる黒部五郎岳北面のカールと雪渓、三俣山荘から見る鷲羽岳直登の異様な姿、雲ノ平から見る水晶岳双頭峰の端整な姿等、山行を楽しませてくれた。加えて、鷲羽岳山頂や水晶岳山頂からは、槍ケ岳から燕岳に至る表銀座縦走コースの山並み、真砂岳から烏帽子岳に至る裏銀座縦走コースの山並みの魅力ある姿を見ることが出来、いずれも歩いたことのない私にとって山行を大いにそそった。 4日目に太郎平小屋へ戻り、今回踏破した「黒部五郎岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳」を一望した時は、厳しい行程だっただけに感無量であった。 最後に、今回無事縦走できたことは、リーダーをはじめとするパートナーの方々のご指導とチームワークの賜物と感謝しています。ありがとうございました。 黒部五郎岳・鷲羽岳
6時35分北の俣岳に到着。ここの雲海の景色は何とも形容しがたいすばらしさだ。その後約1時間歩いて赤木岳に着いた。北の俣も赤木も大きな標識が無く、うっかりすると見過ごしてしまう。暫く歩くと前方に黒部五郎岳の全貌が見えた、8時18分だった。「何とも大きな山だ!あそこまで行くんかいな!あとどのぐらいかかるんかいな!」と独り言は、悲鳴にも似た自分の声だった。それから2時間歩くと黒部五郎岳の分岐に着いた。ここにリユックを置いて空身で登る、10時30分に山頂に着いた。360度のパノラマだ。全員での記念写真を撮りザラ場を下った。11時近くなったのでここで昼食と思っていたら、CLは五郎小屋まで行って昼食との指令だ。慌ててパンを口に入れたまま慌てて飛び出した。途中の大きなカールは見応えのある景色だ。下りきった所の水場で再度昼食を進言した。リユックも軽くしたいし、朝食は6時だったので腹が減りすぎると食べられなくなるからだ。そこの雪解けの水は手が痛いほど冷たくおいしかった。前夜の小屋で買ったお湯は少しぬるめだったがコーヒーはおいしく飲めた。昼食を済まして改めて五郎小屋目指して出発。 13時25分やっと五郎小屋に着いた。太郎平小屋を出発して9時間かかった。ビールを飲みたいところだが、これから三俣山荘まで行かねばならない。冷やしてあるネクターを一気飲みした、そのうまかったこと!誰かが「ビール飲んだらクビやぞ!」と言った。標識は「黒部五郎岳カールコース」と「三俣・双六」とがあり、五郎小屋で泊まるだろうと思われる人が、「今から三俣山荘ですか、がんばってくださいね・・・」と激励してくれた。 一息入れてから三俣山荘目指して五郎小屋を出発した。ここは急登だった!みるみるうちに汗だくになった。足は重くリユックも重く・・・顔は下を向いて力なく・・・、それでも歩いていると三俣蓮華岳と三俣山荘の分岐に着いた。小屋に早く行くなら三俣山荘コースだが、雪渓を渡らなければならない。看板には「雪渓には充分な注意を!」と出ている。一方三俣蓮華岳コースは急登でかなり厳しい状況だ。 CLからどっちの道を選ぶか・・・の提案だったが、全員一致で三俣蓮華岳コースを選んだ。想定通り分岐から大変な急登だ!「長野・富山・岐阜三県の境」の標識を経由して16時28分三俣蓮華岳頂上に着いた。出発後12時間かかった。全員登頂記念の写真を撮った。 これだけ苦しかったのに写真は全員晴々としたいい顔だ!達成感が溢れている!少しガスが出てきて前方に見える鷲羽岳は不気味な感じに見える。三俣蓮華から約1時間やっと鷲羽岳の麓に三俣山荘が見えた。赤い屋根が一段ときれいに見える。17時30分小屋に到着した。ヤレヤレだ、明日は4時半出発だ。 北アルプス黒部五郎・鷲羽岳・黒岳を踏破して
唯、出発2.3日前より体調を崩していた中での参加で不安もあった。太郎平小屋に着いた頃より疲労が急に襲って来た。食が進んでいなかったことが最大の原因と分かっていたが受け付けずどうしょうもなかった。二日目より快晴で絶好の登山日和に恵まれた。すば らしい展望がきく尾根道をいくつかのピークを登り下りしながら黒部五郎岳〜三俣蓮華岳 を目指して歩いた。次第にリュックの荷が肩に食い込んでくる。 大した登坂でないのに 体が重い。三俣蓮華をパスしょうとの話も出ていたが、清々30分位の迂回と言うことで登 ることになった。登りたいし、しんどいしの葛藤の中付いて行くことにした。頂上を目前 にして秋月さんがリュックを交換しょうと言ってくれる。弱った歩き方をしていたのでしょう 。今までに経験しない自分に対する屈辱の状況でありましたが、これ以上無理すると一屑に迷惑を掛けることもあり、気持ちよく助けを受けました。その結果三俣小屋までの下山が楽に行動が出未ました。が小屋について荷物を軽く出来ないかと整理中に、首から両腕に熱が出て来て疲労感を急に感じるようになって、小屋の前でビールを飲むからと誘いがありましたが残念ながらしんどくて行けませんでした。今回も日焼け対策を一切してい なかったことで、熱中症状が出て来たようです。疲れが溜まり夕食も取れない状態になり ました。見兼ねた山口さんが診療所で診察を手配してくれました。岡山大と香川大の山好きの医学生が交替でボランティアで診察をしているとのことでした。 今回は岡山大学が 担当で、可愛女医さんの玉子にお世話になり、点滴を打って貰いました。また、オーナー の奥さんが滞在しでいて、厨房に蜂蜜レモンと梅干し入り白粥を作るよう手配して下さり 御馳走になった。夜もよく寝られました。大分元気が出て来ました。こうして皆さん方よりいろいろと手助けを頂いた結果、登りはまだシンドサが残っていましたが、下りは何とか平常近くまで回復して来ました。 百名山を目指していた訳ではありませんでしたが。いつの間にか踏破が80座を越えて来ました。9月に入り登山計画も目白押しです。今回の失敗を十分に検証して踏肢出来るよう努めたいと思っております。 最後になりましたが、今回のリーダー山口さんを始め同行皆さん方に感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。 |