ルート概略図

山行日
2009年9月20日(日)〜22(火)
天候
晴・晴・曇
コース
21日:テント場6:30⇒7:40仙水峠7:50⇒9:25駒津峰9:45⇒11:35甲斐駒頂上12:30⇒15:40双児山15:55⇒17:10北沢峠22日:5:30⇒8:00小仙丈岳8:10⇒9:05仙丈岳9:35⇒10:40馬ノ背ヒュッテ10:45⇒11:25大滝ノ頭11:40⇒12:45テント場
参加者
リーダー:染矢  サブリーダー:内匠  記録:河合
合計:3名


    山行報告  染矢つや子

1日目 
 シルバーウイークにどれほどの渋滞があるか予想がつかぬまま早めに京田辺を6時に出発。 何ヶ所かで渋滞となりノロノロ運転が続いたが、安全運転優先、休憩を2回取り伊那IC12時 バスの時間に余裕が出来たと「道の駅」でさっそくお土産用にとりんごをゲット。臨時のバスに乗り 運転兼流暢なガイド付きで北沢峠14:40着。テント場は赤・黄・緑で所狭しと賑わっている。

2日目
 早朝2時頃からテント場を発つ足音がした。我々は4時起床テント内で朝食を済ませ身支度を終え ると出発の予定時間を過ぎていた。今日は快晴心躍る。あせらずゆっくり歩行、眺めよければ写真を 撮り個人山行ならではの山行を楽しみたいと思っていた。仙水峠、目の前には摩利支天の岩峰が大き くそびえている。我も我もと登山者がシャッターを押している。左方向に樹林帯をここからが本番の 急登が続く。ようやく「駒津峰」到着360度大パノラマ。甲斐駒ガ岳の白い山肌を太陽が照らし澄 み切った青空に映え感動ものだ。細い山稜を行くとほどなく六方石といういう大きな岩が並ぶ鞍部に 赤マーカーで直進と左方向を指す矢印がある。岩好きな3人は迷わず直登コースに、岩と格闘しなが ら全力で頑張る姿は頼もしく3人3様に岩稜歩きを楽しんだ。頂上!雲ひとつない青空 鳳凰三山の 上には富士山が浮かんでいる。思う存分頂上からの景色を楽しんだ後、白砂の斜面を下りトラバース 道の摩利支天から六方石の分岐に戻る。双児山からは視界がきかない林の中をひたすら北沢峠へと。

3日目
 今日は帰りのバスの時間の事もあって休憩を短めにして予定コースを歩きたいと思ってスタート。 昨夜の情報通り曇りで太陽を期待出来そうにない。視界の利かない急斜面が4合目まで続く。藪沢小 屋への分岐大滝ノ頭は小広場になっていて格好の休憩場所だ。林をぬけ岩石の道を登ると小仙丈岳。 木々の葉は少し色づき始め楽しめた。頂上手前の岩稜を通り鞍部をひと登りしてようやく頂上に。 初めて大人数のパーティーと出会った。視界は悪い、エネルギーを補給し下山。仙丈小屋から見上げ る仙丈カールが遠慮がちに鮮やかな紅葉を見せてくれた。いくつかの小さな沢を渡り大滝ノ頭に到着 残飯で昼食を摂り往路を下山。今日も臨時のバス(13:45)がありツァーの人達と同乗となる。

ヒヤリハット:なし


     懐かしの甲斐駒ヶ岳と仙丈岳  内匠美佐子  
   もう15〜16年前になるだろうか?次男が小学5〜6年生の頃、夫と三人で気軽に山登りを楽しんだ思い出がある。夏場は登山客で賑わう北沢峠。ここを起点に甲斐駒ケ岳と仙丈岳を登る。ツアー登山では人気ナンバーワンの山だそうである。仙流荘からバスで北沢峠へ向う。約50分の間バスの運転手が車窓から見える山々や南アルプスの植生、地形等を説明してくれる。スカッとした青空にはっきりと見えるギザギザの鋸岳、まるで雪かと思わせる白い岩稜の甲斐駒ケ岳、摩利支天の雄姿に感動が沸いてくる。今回は女三人のテント泊山行。私達も北沢峠にテントを張り、一日目は甲斐駒ケ岳、二日目は仙丈岳を目指す。9月半ば北沢峠のテント場は賑わっていた。
一日目、早朝より雲一つ無い快晴。仙水峠では目前に摩利支天の岩峰を仰ぎ、後方には仙丈岳を見る。ここから駒津峰までは急登。樹林の中、徐々に高度を上げて行くと右手に甲斐駒ケ岳が迫ってくる。左手には仙丈岳の頂上カールが見える。2750mの駒津峰では360度の展望。地蔵岳のオベリスクが、その後に富士山の姿が綺麗に見えた。「ワァー!きれい!」と歓声を上げて喜ぶ。その遠方に北岳の山容も見える。体を回転してみると御嶽山、乗鞍岳、そして八ケ岳の山並が目に入ってくる。素晴らしいこの眺めにしばし浸っていた。さあここから目前の甲斐駒頂上を直登する。殆ど岩登りで普段のクライミングのように楽しめたが、頂上に近づくにつれハーハーと荒い息づかいである。昔はここを楽に攀じ登ったのに……やはり歳のせいか?と苦笑する。頂上はまるでセメントで固めたような白い岩石、花崗岩で覆われている。空は晴れ渡り南アルプスを一望、思わず三人は手を取り合い笑顔で喜んだ。「この感動があるから山に登るのねー!」と満足する。下をみると白い水蒸気が雲のようになって徐々に上がってくるのがわかる。摩利支天へも行くが、白砂の下りは見ただけで滑り落ちそう。下りの苦手な私は足を踏ん張り慎重に歩いた。断崖絶壁の岩に吸い込まれそう。摩利支天には古い鉄塔や錆びた鉄剣が傾いていた。
 二日目は甲斐駒ケ岳を背にして仙丈岳を登る。3033mと甲斐駒より高い山であるが登りやすい。生憎の曇り空である。樹林の急斜面をジグサグに進み五合目を越え、小仙丈岳に着いてもガスが漂い展望はない。時折ガスの切れ目からなだらかな山容が見える。昨日素晴らしい天気に十分満足したので、今日は雨さえ降らなければ良しと思う。山頂までの標識は日本語とハングル文字で記されていた。山頂に近づくにつれナナカマドの紅葉がきれい。頂上はガスで覆われ眼下の仙丈カールも見えない。昔ここで人がリンゴを剥いて食べているのを見てとても羨ましかった事を思い出す。残念ながら大展望はなく景色を想像しながら下山する。馬の背ヒュッテを通過した頃少しガスが晴れ、後方を振り返ると緑のハイマツ、赤いナナカマド、黄色のダケカンバの斜面がとってもきれい!もう高山植物の花は殆ど咲いていないねーと言いながら無事下山した。


仙水峠から見た甲斐駒ヶ岳(左)と摩利支天
 
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/甲斐駒ヶ岳をバックに駒津
/峰にて