3180m |
/天狗原の雪渓にて/ |
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山行報告 | 佐々木英夫 | |
☆8/10日 北アルプスの主峰、もっともよく知られた人気者の槍ケ岳へ、参加者のそれぞれの思いを乗せて6時に京田辺を出発、新穂高に11時20分に到着、右俣林道から登山道を歩くこと4時間30分、槍平小屋に16時25分に到着した。 滝谷出会の藤木九三のレリーフがある付近の水場で、雪解けの冷たい水を飲み、先人達の憧憬と、未知への限りなき挑戦を、槍ケ岳や穂高岳へかけた登攀を思い、その凄さに感動した。 ☆8/11日 4時30分まだ薄暗い中を、飛騨沢の道を槍に向かった。樹林帯を過ぎると、四方の展望が開け、貫けるような青空から陽射しが強くなり始めたが、氷河作用によって削られ たナイフリツジ状の尾根の影が登山道を覆い、比較的歩きやすい道だった。炎天下の日を遮る もののない岩稜の山だけに、午前中のきつい登りでは、その日陰か助かった。赤い屋根の槍ヶ岳山荘が岩塊にへばりついているのが見え、飛騨乗越の鞍部が見え、展望がますます広角にな ると、やがて乗越に着いた。 ピラミッド形の岩峰が聳えていた。憧れの槍ヶ岳の全貌を皆感激して見たのだった。 山荘前に荷物を置き、いよいよホルンの頂上へ挑戦、慎重に三点確保で、班岩の硬い岩をホー ルドし、鎖や、鉄梯子を頼りに全員(21名)頂上ヘ、360度の展望がこの日は特に素晴らし く、皆さん、それぞれの感動を記憶に刻んだに違いない.。憧れと、恋焦がれていた槍の頂上での思いを残し下山する。 槍から大喰岳・中岳・南岳へと3000m級の稜線を歩き、残雪で遊び、雪渓の水場で憩い、日本で最大級の岩石氷河を観察し、展望した日本百名山の数を指折り、列が長く伸びたり、縮んだ りしながら、南岳小屋に到着した。南岳から目の前に山岳の王者のように、どんと居座る穂高岳の豪快で険しく、雄大な岩峰、岩壁を見て、またその凄さに感激した。小屋に着くと、雷が遠くで鳴っていた。雷鳥の親子も付近を散策していた、 今夜の星空はどうだろうか? ☆8/12日 南岳から御来光を仰いだ。富士山・南アルプス・浅間山がたなびく雲海の茜色の上に黒々と聳え、大きな穂高の岩塊が薄く陽を浴び、笠のトップが明るくなり、槍が赤く焼け、その遠く右に雲海を敷いた鹿島槍の双似峰らの名峰が、すべて深いカールを抱いた幽谷の高みからの、形容しがたい風景を描写するには、言葉が足りないほどの素晴らしい一瞬だった。 天狗のコルヘの道も険しく、慎重さが必要、特に最終日なので最大の注意をはらう。 天狗原カールの雪渓で少し時間をとり槍をバックに写真タイムとした。氷河湖に少し影を置く槍の穂先など、湖水と、雪と、ハイ松と、紺碧の青とのコントラストが、この氷河公園の絶景であろう。槍沢の雪渓を横切り、槍沢登山道に合流し、後はひたすら上高地を目指す。 登り来る登山者が多く、離合するのに大変だ。槍沢を下ること3時間20分、横尾山荘に到着。 昼食をとり、平坦な梓川ぞいの道を、徳沢園・明神館・上高地バスターミナルヘと少し急ピッ チで歩いた。2泊3日の行程で全員無事に下山、特に槍ヶ岳の登攀では、何事もなく感激を味わったことは良かったと思う。リーダー徳田康二さん、サブ秋月さんの企画による槍ヶ岳山行に、報告者として、また、先頭を歩いた者として、少しでも寄与できたことに感謝したい。同行の皆さんありがとうございました。 ヒヤリハット なし |
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槍ヶ岳 一言感想集 |
●数年前例会で槍沢を登ったがきつくて楽しめなかった。頂上ヘは16時近くだったのでガスで 何も見えず只頂上に到達しただけだったのでいつか機会があればと思っていた。今回別ルートで企画され参加させていただいた。2回目だから少しでも楽しめる山行にと心がけて望んだが、一番暑い時間帯の登りは余裕がなく水分もかなり取った。2日3日は涼しく山を楽しみ快調に歩け満足だった。小さな小屋ほど綺麗で食事も美味しく快適に過ごせた。同じ山を目指すもルートが違えばまた違った楽しみがあることを教えて戴いた。山をよく知る人ならではの企画に大満足で感謝!!(染矢つや子) ●遠くから眺めていた槍ヶ岳、いつかあのてっぺんに登りたいと思うようになって、2,3年がたった。念願が叶ってやっと登れました。抜けるような青空、あえぎながら登りついた飛騨沢の稜線、目の前には、険しいゴツゴツとした岩稜の槍が聳えていて感動しました。 垂直の鉄梯子、足元をしっかり見つめて、ゆっくり、ゆっくり慎重にといいながら頂上へ…… 360度の眺望、最高です。思ったより広く、祠に手を合わせ、みんなと握手交わし記念撮影、ゆ っくりした時間の中で、天にも届くようなホルンの上で、長年の思いと感動をかみしめました。 下りは特に気を引き締めて降りました。一面、色とりどりの可憐な花々を見て、風を肌で感じ、 気分もすっきりと、大自然の中を思う存分に楽しみました。特に、星空の素晴らしかったこと、 ぼたん雪が降るがごとく、大きくひかり輝く満天の星座や、南岳から見た茜色に輝く日の出の美 しい荘厳さは、言葉にならないほど感動しました。3日間ともお天気に恵まれ、仲間に励まされ、 充実した山行でした。皆さんに感謝します。「山はきつくて、しんどいけどイイナーといつも思う。」(濱北紀子) ●初日 夏バテ気味の体調でしたが、パーティーに遅れることなく順調に槍平小屋にたどり着け
てほっとしました。 ●いいお天気にめぐまれ、おいしい空気をいっぱい吸い込み、山野草や山の景色を満喫してあこがれの槍ヶ岳の頂上に登り、四方の景色をながめ満足。翌日は、南岳からご来光を迎え富士山を見て、下山途中には、逆さ槍を見ることもでき感激の連続でした。無事下山できほんとうに有難 うございました。また、それ以外に参加者皆様に気持ち良く仲間に入れていただき、3日間の山行ができたこと、心から感謝しています。初心者二人ですが、自分達の力量を考えこれからも色々な所に参加させていただきたいと思っていますので、田辺山友会の皆様よろしくお願い致します。 (加藤幸子・吉津雅雅子) ●今回、槍ヶ岳へ何十年ぶりかで行く事が出来ました。高山植物もまだ8月上句なので沢山咲い ていましたので良かったです。最近、テント山行ばかりでしたので小屋泊まりは何と楽だと思い気分は上々です。テントではフリースを着ていたのに小屋は暑くて布団がいらない位でした。 槍ヶ岳の登りも昔と違い鉄バシゴが、かかっているので楽に登ることが出来ました。昔、山頂の祠の横にあった鉄の槍が無くなっているのが少し淋しく年月を感じました。 「懐かしき我が青春の槍ヶ岳」又、昔に登った山頃の上は多くの人でゆっくり居られない位で したが今回はゆっくり出来て良かったです。そしてどこの山小屋も広く立派になり見違えるほどです。「氷壁の宿」と書かれた徳沢園も昔の面影は全く有りません。上高地のバスターミナルも広 くてきれいになって懐かしさと、どこか違う所へ来たような山行でした。(吉野美智代) ●好天に恵まれてすばらしい展望を満喫させて頂きました、お世話していただいた方々や同行された方々に感謝し、お礼申し上げます。本格的な登山は久しぶりなので、自分の体力から見て出来る限り軽い荷物にして参加させていただき、何とか皆さんについていくことが出来ました、有り難う御座いました。
●昨年は天候が悪く中止、今年は良いお天気になります様にと、山行日が近づくと毎日天気予報
と睨めっこ、お陰様で3日間は好天に恵まれそうです。当日の朝空は青空、心も青空、3日間頑張って歩きましょうと心に誓う。槍平小屋を目指して林道を歩く。2時間弱歩いた頃から汗がひどく水分補給の繰り返し、樹林帯の中の登山道を少し行くと藤木九三さんのレリーフかあり、最後の水場、そこの沢の水がとっても美味しかった。小屋に着くと前日から宿泊していた大谷さんが出迎えて下さった。翌朝早いからもう寝ましょうと思い横になり足をおもいきり伸ばすとビー
ンと突っ張ってイタイー一大股部がつっている。今回エアーサロンパス持って来なかった。失敗、
そして皆さんに助けていただき有り難うございました。ぐっすりと眠れました。
●私にとって富士山に次いで行ってみたかった山、槍ヶ岳。8月11日午前9時50分、その槍の穂先に遂に立つ事が出来ました。これまで写真、テレビで見て来た槍ヶ岳山頂は、私にとっても全く「槍の穂先」と云った表現にぴったりの山容でした。でも実際に立った槍の穂先は結構広
く、30人はOKだったでしょうか。
快晴、どこまでも青い空、そして360°の展望、どこまでも続くアルプスの山々・・・、何
もかも素晴らしい。でも何と云っても、ここまで自らの力で来れた我が身に「カンパーイ」です。
早朝4時半に槍平小屋を出て槍を目指す。黙々と一歩一歩前進。そして飛騨乗越に着いた8時5
0分、目の前に瞼に描いていた槍ヶ岳を見た時にはちょっとばかり、英雄(?)的に高揚した感情が芽生えたように思いましたね。
●今年に入り体調不良が続いている。春の小塩山、夏山の鳳凰三山とリタイヤした。その前の魚谷山、夏山トレのリトル比良では調子はよかったのでこれなら大丈夫と思っていたか、薬師岳で
リタイヤして皆さんに大変ご迷惑をかけてしまった。もし今度もこのような事態になれば多くの人に迷惑をかけるので、佐々木さんと相談して当日の山行リーダーをお願いした。キャンセル待
ちの村上さんに入ってもらい、自分は個人山行として参加させてもらうことにした。
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