北八ヶ岳天狗の奥庭(2430m)にて |
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山行報告 | 山口 博 | |
/私が雪山を楽しむ様に成ったのは2001年5月にOBの中山さんに南アルプス塩見岳の三伏峠へのテント泊に連れって行って貰った時からで、それまでは雪山は金剛山・比叡山・比
良山・伊吹山など日帰りの山行だけでした。
好日山荘に連れて貰ってアイゼン(10本)・ピッケル・など冬山用具を一式揃えました。
その後は明神平で雪のテント泊などでオフシーズンも冬山を楽しめるように成りました。 |
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1月3日の愛宕山参りでは少々の雪を期待したが、まるで雪が無かった。帰路、上高地の雪見
旅行のすばらしさを耳にし、参加することとした。冬は昨年の美山での雪遊びしか経験が無く、どんな装備をしたらよいやら?山□さんからはマイナス15度とのお話。鼻水もすぐに凍る冷たさ
だ。昔、蔵王でマイナス10度の経験はあるも、想像の限界を超えている。事前打ち合わせの時に、装備の名前を間いても良く分らず、やはり雪山は初めてという秋月さんとボソボソ。 「かんなび」の雪山装備の記事(鈴木さん、橋本さん)を見たり、ネットで装備の調査をしたりし、元少年は 不足の用具をイソイソと買いに行った。相棒からは「この歳でまだまだ買い物をする物があって 楽しいですね」と冷やかされた。子供がお年玉をもらって好きな物を買いに行くのと一緒さ! 防寒具を着けて、バイクで走ってテストランをした。 一番気になるのは、なんと言ってもお天気だ。4〜5日前から、現地の長期予報を追った。初日は降水確率50〜60%だったのが、前日の予報では晴に急変し、思わずバンザイ!と叫ぶ。結果 的には、3日間とも晴れ、特に後半2日は雲ひとつ無い快晴に恵まれた。初めの2日間で十分に満足した旅だったので、2日目の夜に翌日の晴の予報を知った時は、まるで奇跡が起こったのか と思われる程だった。お陰で3日間とも風もなく、ハイキング気分で大いに雪景色を楽しむこと が出来た。 時期が時期なので、行く前は、せめて1日でも晴れてくれればとの願いだったので、なんとついていたことか!先輩のお話しでは10回行って、1回あるかないかの幸運だったそ うだ。3日間で1年分の山行をした思いがした。 一日目はまず、風もなく静寂の中、大正池に逆さに写った穂高の山々の光景にうっとりした。上高地の自然散策路の道中は2〜3のグループと出会う程度で、車の音も風の音も無<、仲間の雪道を歩く音のみ。田代池ではただ一人、油絵に興じる方がいて、最高の幸せな時間を過ごしていた。自分も同じ気分になれた。 河童橋周辺の静かなたたずまいをゆっくりと楽しめた。 二日目はいきなりゴンドラで2200mまで一気に昇る。一昨年の秋の木曽駒での高山病を思い 出した。不安がよぎるも、昨晩はふもとで一晩寝ているのだから大丈夫なはずだと自己暗示し、体に言い聞かした。西穂高口の展望台からはどちらを向いても、真っ青の空の下、雪を頂いた焼 岳、穂高連峰・槍ケ岳、笹ケ岳と間近かに雪山景色を堪能した。 西穂高山荘まで林道を登る。前日が日曜日で登山客は多かったらしく、踏み後もほどほどにあり、歩き易かった。雪道は夏山よ りずっと歩きやすく、昇りやすい。下りも雪が衝撃を和らげてくれて疲れないし、一歩一歩の足の運び場所探しに神経を使っての疲れも少ない。コンディションに恵まれ、得意の足のツリも無 く、皆さんについて行けた。下り道、元少年や元少女達は雪のスベリ台をエンジョイし、歓声をあげた。 三日目。奥蓼科温泉の「渋御前湯」の宿の玄関前でアイゼンを付け、すぐ昇りにとりかかった。 今朝は今までで一番寒い。耳おおいの付いた帽子がようやく出番となる。先日と同様に雪道のト レースはしっかりあり、快調に迷うことなく黒百合平に向かえた。高度があがるにつれ、雪の大 きなオブジェが現れ、シャッターチャンスの度に足が止まった。昨年一躍有名になったイナバウアや入場門、雪の額縁、モンスター、ツララ等に度々出合えて歓声。 展望台からは360度の雪景色が堪能出来た。天気もよく、風もなく、時間もゆったりあり、雪景色を堪能しながらゆっく り下った。すべり台遊びに歓声あげる元少女達。木をゆらして人エダイヤモンドダストを作って 歓声をあげたり、雪でたわわになった木がかわそうなので雪落としをしたりと(ほんとは後を歩 く人への雪のプレゼントか?)のんびり下る。 若干愛想のない「渋御殿湯」(食事はまずまずで、 風呂はクラッシク風の硫黄温泉)での風呂は止め、諏訪湖のほとりにある最新設備の「スワッコ ランド」でしめくくりの入浴とビールで今回の旅の仕上げをした。過ぎた夢のような3日間、満足感でいっぱいだった。 いつも雪山が今回のように恵まれることは少ないだろうが、今回は出番のなかった装備類はい つまでもリュックの底で静かにしていてほしいものだ。山□さんをはじめお世話になった皆様や天気の神様に深く感謝いたします。 |