北八ヶ岳天狗の奥庭(2430m)にて

山行日
2007年1月21〜23日
天候
コース
1/21・新田辺6:00⇒11:00釜トンネル⇒12:30大正池⇒14:00河童橋⇒16:00釜トンネル⇒16:30平湯温泉 1/22・平湯温泉7:40⇒8:30新穂高RW駅⇒西穂高口駅9:15⇒11:00西穂山荘⇒新穂高RW13:10⇒17:15渋御殿湯 1/23・渋御殿湯7:50⇒9:50黒百合ヒュッテ11:00⇒12:30渋御殿湯⇒諏訪湖ランド15:00⇒19:20新田辺
参加者
リーダー:山口  サブリーダー:佐々木 
男性:秋月、岡部、金本、守口、西上、、村上、山下
女性:大谷、堀尾、濱北、西上、守口、頼
合計:15名    

 

    山行報告  山口 博

/私が雪山を楽しむ様に成ったのは2001年5月にOBの中山さんに南アルプス塩見岳の三伏峠へのテント泊に連れって行って貰った時からで、それまでは雪山は金剛山・比叡山・比 良山・伊吹山など日帰りの山行だけでした。 好日山荘に連れて貰ってアイゼン(10本)・ピッケル・など冬山用具を一式揃えました。 その後は明神平で雪のテント泊などでオフシーズンも冬山を楽しめるように成りました。
 2003年1月に冬の北八が岳(10名参加)に登りマイナス15度の体験をしました。例会では日帰り山行以外に私が行ける冬山が少なく、遠征して冬山を楽しむには自分で個人山行を計画する以外方法がありませんでした。雪山で味わった感激が忘れられず、一人でも多くの山友会の仲間とこの感激を共有した いと思い毎年計画しています。今回も15名の方が参加して頂きバスでの山行が出来ました。

1月21日(日)
  6:00新田辺西口を出発し大住が丘・松井が丘から八幡東IC・6:30→(東海北陸道)飛騨清美IC→R156 →平湯→釜トンネルに11:00に到着しました。       

 釜トンネルを抜けるとそこは雪国だった。川端康成の世界ではないが静寂の上高地が現れる。夏のシーズンの喧騒の上高地違った白い静寂の風景が展がる。ケショウヤナギが芽を吹く6月の花のシーズンも良いが、この季節が私は一番好きです。今回は断念したが再度テント泊で上高地の幻想的な朝を味わいたいと思っている。

 新しい釜トンネルは広くて明るくこの時期は車も通らずトンネルの中は温かくかく汗ば んでくる。40分でトンネルを出るとそこは雪の上高地で雪化粧した焼岳が目の前に現われる。梓川に写る逆さ焼岳をカメラに収め全員で記念撮影、やがて20分で大正池に着いた。2005年3月に来た時はこの辺りで1m以上の積雪があり膝まで沈み、とても夏道の自然 研究路は通れず除雪された工事用道路を歩いたが、今回は雪が少なくてワカンも必要なく 楽々に歩けたので予定していなかった河童橋まで行くことが出来た。

 日曜日なのにスノウシュウを履いた3グループに出会っただけでこの時期は静かだ。河童橋で雪の穂高連峰をカメラに収め、コーヒータイムの後、帰りは夏には通らない工事用の道路を通り、釜トンネルの出発点に予定の16:00に帰着しました。宿の「ひらゆの森」 には16:30に到着し2つの風呂と5つの露天風呂を夕・夜・朝と3回楽しみました。

1月22日(月)
 7:40に出発し新穂高温泉に8:30に到着し、ロープウェイを乗り継ぎ西穂高ロ駅に9:00 に到着しました。西穂高口の展望台で正面の傘が岳・穂高連峰の展望を楽しみ、西穂山荘 へ9:15に登山開始。2年前に来た時は3mの雪に阻まれて周りの遊歩道を歩いただけで帰 ったが今回は雪も少なく登山道も綺麗にトレースされていて歩きやすく、周りの雪のオブ ジェを楽しみながら、楽々と西穂山荘に予定より早く11:00に到着しました。
 
 リュックを置いて丸山に登る。西穂独標・西穂高岳は目の前で時間が有れば西穂独標までは行けそうだ。眼下には上高地絵お見下ろし、昨日上高地から見た地点に今立っている。後ろ髪を引かれながら西穂山荘に下山し暖かいので200円を節約して小屋に入らず小屋の前で軽食とコーヒータイム。11:40に下山しました。

 12:50のロープウェイに飛び乗り予定 の時間の13:10に新穂高温泉駅に到着し、宿泊地奥蓼科の渋御殿湯に向け出発しました。道中奥蓼科付近で雪が降り出し宿泊地の手前でチェーンを巻くことに成ったが“ひやりハ ット!”、なんとチェーン1本しかない(出発時運転手に確認したが積んでいるとの事であった)下車して1km歩かねば、幸運にも救 いの神、除雪車が来ていて宿に連絡をし呉れ て3台で迎えに来てくれてヤレヤレ“運転手腕は確かだがいごっそ(高知の方言で無愛想)で“済みません”の一言も無い。

 迷惑をお掛けしました。それでもほぼ予定の 時間に到着してほっとしました。 温泉の好きな私は特に泊まり客用の「信玄の湯」が気に入りました。小さな風呂で2つの源泉と木の蓋をした湯船で湯の花が浮かんでいてとてもレトロな気分になる。   

1月23日(火)
  渋御殿湯を7:50に出発した。今日も晴天ラッキイ!! 今回は恵まれている、昨年の山行は雨に崇られたので特別に嬉 しい。室内でもマイナス外でアイゼンを つける手が悴む。 登山道はトレースがはっきりしていて 歩きやすく、周りは雪のオブジエで幻想的で写真展用の写真を狙ったが後で見 ると余り良い写真が無かった。予定より も早く9:50に黒百合ヒュッテに着きました。

 天狗の奥庭に登ると素晴らしい展望で、直ぐ前に東・西天狗岳で、南に御嶽山や南アルプ ス連峰などの素晴らしい景色を堪能しました。流石に稜線は冷たくゆっくりできずにヒュ ッテの前に下りました。堀尾さん大谷さんは童心に帰りシートを敷いて尻すべりを楽しんでいる。佐々木さんはさすが雪国育ち、上手に長靴で足滑りで楽しそうだ。 ヒュッテの前温度計は3度で暖かく残念ながらマイナス15度は体験できなかったが、白銀の世界を楽しみました。黒百合ヒュッを11:00に出発し12:30に下山しました。

 雪道の下山道は足元を気にしなくて良いので途中で尻滑りなどしながら、また,周りの雪景色が堪能出来ました。 今日はバスが渋御殿湯まで登って来ていた ので荷物を載せて宿を出発し温泉と昼食の場所を探しましたが、途中に見当たらず諏訪湖で温泉入浴と昼食にしました。 新田辺には19:20に帰りました。

 3日間素晴らしいお天気に恵まれて雪山を堪 能することが出来ました。佐々木さん会計して頂いた大谷さんお世話になりました。 参加して頂いたの皆さんのお陰で楽しい山行が出来ました、有難う御座いました。

ひやりハット ありません。






大正池から望む焼岳

大正池に映る穂高連峰

上高地の河童橋 
 

西穂高口から見た笠ヶ岳

西穂山荘へ向かう  
 

小さな噴煙を上げる焼岳と左は乗鞍岳方面  

西穂丸山にて後方は焼岳、更にその後ろは乗鞍岳  
 

西穂丸山からの西穂高岳(2909m)

渋の湯から黒百合平を目指す  
 

天狗の奥庭から見る天狗岳 西天狗岳・右(2645.8m) 

黒百合ヒュッテ前の丘で尻セードを楽しむ二人のHさん 
 

黒百合ヒュッテ前でコーヒータイム 
 
妖怪が出てきそうな黒百合平近くの登山道
 
傘の大木?? 


 
              3日間で1年分を味わった雪山の旅     山下 隆 
 1月3日の愛宕山参りでは少々の雪を期待したが、まるで雪が無かった。帰路、上高地の雪見 旅行のすばらしさを耳にし、参加することとした。冬は昨年の美山での雪遊びしか経験が無く、どんな装備をしたらよいやら?山□さんからはマイナス15度とのお話。鼻水もすぐに凍る冷たさ だ。昔、蔵王でマイナス10度の経験はあるも、想像の限界を超えている。事前打ち合わせの時に、装備の名前を間いても良く分らず、やはり雪山は初めてという秋月さんとボソボソ。

 「かんなび」の雪山装備の記事(鈴木さん、橋本さん)を見たり、ネットで装備の調査をしたりし、元少年は 不足の用具をイソイソと買いに行った。相棒からは「この歳でまだまだ買い物をする物があって 楽しいですね」と冷やかされた。子供がお年玉をもらって好きな物を買いに行くのと一緒さ! 防寒具を着けて、バイクで走ってテストランをした。

 一番気になるのは、なんと言ってもお天気だ。4〜5日前から、現地の長期予報を追った。初日は降水確率50〜60%だったのが、前日の予報では晴に急変し、思わずバンザイ!と叫ぶ。結果 的には、3日間とも晴れ、特に後半2日は雲ひとつ無い快晴に恵まれた。初めの2日間で十分に満足した旅だったので、2日目の夜に翌日の晴の予報を知った時は、まるで奇跡が起こったのか と思われる程だった。お陰で3日間とも風もなく、ハイキング気分で大いに雪景色を楽しむこと が出来た。

 時期が時期なので、行く前は、せめて1日でも晴れてくれればとの願いだったので、なんとついていたことか!先輩のお話しでは10回行って、1回あるかないかの幸運だったそ うだ。3日間で1年分の山行をした思いがした。

 一日目はまず、風もなく静寂の中、大正池に逆さに写った穂高の山々の光景にうっとりした。上高地の自然散策路の道中は2〜3のグループと出会う程度で、車の音も風の音も無<、仲間の雪道を歩く音のみ。田代池ではただ一人、油絵に興じる方がいて、最高の幸せな時間を過ごしていた。自分も同じ気分になれた。
河童橋周辺の静かなたたずまいをゆっくりと楽しめた。

 二日目はいきなりゴンドラで2200mまで一気に昇る。一昨年の秋の木曽駒での高山病を思い 出した。不安がよぎるも、昨晩はふもとで一晩寝ているのだから大丈夫なはずだと自己暗示し、体に言い聞かした。西穂高口の展望台からはどちらを向いても、真っ青の空の下、雪を頂いた焼 岳、穂高連峰・槍ケ岳、笹ケ岳と間近かに雪山景色を堪能した。

 西穂高山荘まで林道を登る。前日が日曜日で登山客は多かったらしく、踏み後もほどほどにあり、歩き易かった。雪道は夏山よ りずっと歩きやすく、昇りやすい。下りも雪が衝撃を和らげてくれて疲れないし、一歩一歩の足の運び場所探しに神経を使っての疲れも少ない。コンディションに恵まれ、得意の足のツリも無 く、皆さんについて行けた。下り道、元少年や元少女達は雪のスベリ台をエンジョイし、歓声をあげた。  

 三日目。奥蓼科温泉の「渋御前湯」の宿の玄関前でアイゼンを付け、すぐ昇りにとりかかった。 今朝は今までで一番寒い。耳おおいの付いた帽子がようやく出番となる。先日と同様に雪道のト レースはしっかりあり、快調に迷うことなく黒百合平に向かえた。高度があがるにつれ、雪の大 きなオブジェが現れ、シャッターチャンスの度に足が止まった。昨年一躍有名になったイナバウアや入場門、雪の額縁、モンスター、ツララ等に度々出合えて歓声。

 展望台からは360度の雪景色が堪能出来た。天気もよく、風もなく、時間もゆったりあり、雪景色を堪能しながらゆっく り下った。すべり台遊びに歓声あげる元少女達。木をゆらして人エダイヤモンドダストを作って 歓声をあげたり、雪でたわわになった木がかわそうなので雪落としをしたりと(ほんとは後を歩 く人への雪のプレゼントか?)のんびり下る。

 若干愛想のない「渋御殿湯」(食事はまずまずで、 風呂はクラッシク風の硫黄温泉)での風呂は止め、諏訪湖のほとりにある最新設備の「スワッコ ランド」でしめくくりの入浴とビールで今回の旅の仕上げをした。過ぎた夢のような3日間、満足感でいっぱいだった。  

 いつも雪山が今回のように恵まれることは少ないだろうが、今回は出番のなかった装備類はい つまでもリュックの底で静かにしていてほしいものだ。山□さんをはじめお世話になった皆様や天気の神様に深く感謝いたします。