/地蔵岳のオベリスクをバックに/


山行日

2007年7月20(金)〜22(日)

天候
曇り時々晴れ
コース
青木鉱泉5:00⇒9:30御座石9:35⇒11:20薬師岳11:40⇒12:25薬師岳小屋12:40⇒13:25観音岳13:30⇒14:55地蔵岳15:25⇒16:00鳳凰小屋6:10⇒7:00五色ヶ滝7:10⇒8:35鳳凰ノ滝8:50⇒11:20青木鉱泉12:20
参加者
リーダー:徳田  サブリーダー:四宮 
女性:大谷 河合 内匠 玉井 徳田
 橋本 藤富 山田 吉津 頼 
合計:12名 
   

 

    山行報告  四宮誠次郎

7月21日(土) 
 予定通り午前5時に青木鉱泉を出発した。朝の山麓は霧に包まれ静かだった。薬師岳までは長丁場の山道なのでゆっくりと登った。程なく、最後尾を歩いていたリーダーの徳田さんが遅れ気味になって来た。高山植物を観賞したり写真を撮ったりして、つかず離れずの距離を保ちな がら御座石に着いた。

 徳田さんは体調が思わしくないようだ。薬師岳を目指し、そこで次の判断をすることにした。 ハイマツの林を抜けると白い花崗岩の岩稜が視界に飛び込んできた。11時20分薬師岳に着いた。遅れて、徳田さんご夫妻と大谷さんが到着した。原因は分らないが、息が荒く、思うよ うに足が上がらないようだ。協議の結果、近くの薬師岳小屋に一泊し、明朝下山するか縦走するか決めることにして、取り敢えず小屋に向かった。

 小屋のスタッフは“団体が泊まるので2〜3名なら引き受けてもよい”とのことで進退窮まった。再度協議の結果、徳田さんご夫妻と付き添いに名乗りを上げてくれた大谷さんが小屋に泊まり、明日下山することになった。

 グループを二分することになるが、9人は鳳凰小屋を目指して三山縦走することになった。 途中、観音岳手前あたりから、一人登山している韓国のKIMさんと出会い、交流を深めながら 山行を共にした(結局最後の最後まで一緒でした)。15時前地蔵岳に着いた。賽の河原の前に オベリスクが天に突き刺さるかのように聳えていた。休憩の後、白砂の斜面を下り鳳凰小屋に着いた。早速、薬師岳小屋や会員宅に携帯電話を掛けてもらったか電波が届かなかった。

7月22日(日)
 白糸ノ滝から鳳凰ノ滝あたりは大小の岩場があり、慎重に下山するように聞いていたので気を引き締めて6時10分ドンドコ沢へ出発した。ヘリコプターのエンジン音に不安を感じながら駆け下りた。途中徳田さんの出迎えを受け、大事に至らなくて良かったと思った。メンバーの 皆さんご協力有難うございました。

ヒヤリハット :リーダーが体調を崩した。携帯電話が通じなかった。




   
ドンドコ沢・五色の滝
  

鳳凰小屋にて 
 

ドンドコ沢を下る↑↓
 

「写真提供は頼さん」 



  鳳凰三山は花ざかり       橋本香代子

 泊りがけ山行のリーダーは何かと気にかかることが多く、出発までの気苦労が頂点に達したのではないでしょうか、日頃、超健脚で私達ゆっくり組に合わせるのが大変そうな徳田康二さんが、 身体の調子が悪くなられとても心配しました。  

 出がけから苦しかったのでしょうが私達は全然気付かず、三大急登にも優るとも劣らない薬師岳への登山道を、何とか登りきって下さいました。どれ程苦しかった事でしょう。私達のために 薬師岳までは登らないと、と、7時間もがんばり通して下さいました。本当につらかった事と言葉もありません,

 山小屋は予約も必要だけど、イザという時は断わられないと思っていましたが、今は違うよう です。3人まては泊めるけど後はダメといわれました。残りの9人が鳳凰小屋へ着くためにはあ まり長いこと交渉してもいられず、徳田さんが回復される事を祈りながら出発しました。

 オベリスクのある地蔵岳までの尾根道にはコケモモのかわいい花や、南アルプスの花タカネビランジがピンクや白の可憐な花をつけていた。イワオオギと思った黄色の花はタイツリオウギだったり、まちがった名前を言ったかもしれないけど、疲れを忘れる位の花々に出会えた。はじめてのイチョウランは、ずっと本で見ていて葉が一枚のランがあると心にとめていて、中道登山道の途中で見つけて本当にうれしかった。

 鳳凰小屋のオーナーは花や鳥の学者のような人らしく、小屋の前にたくさん花を育ててられた。その中にキバナノアツモリ ソウがあって、思わず見とれてしまった。 薬師岳直下で見た紫のツル性の花がそこにもあって、ミヤマハンショウズルと教えて下さった。とにかく無事、鳳凰小屋に着けて、気になる徳田さんのことで、あちこちにケイタイで連絡とって下さろうとしたが通じなかった。

 下山道での滝は水量も多く、激しい水流でとてもダイナミックで南精進ケ滝ではピンクのシモツケがたくさん咲いていて、滝を盛り立てていた。あと一時間位で下山というところまで徳田さんが迎えに来て下さり、お元気な姿にみんな胸をなでおろした。下りは休み無しで3時間で下ったとか、それがいつもの徳田さんの姿だと回復ふりに、驚いたり、喜んだり。徳田さんご夫妻と大谷さんを残して予定通りのコースを歩かせ てもらい、申し訳ない気持ちとありがとうの気持ちが半々の山行でした。