大カツラ(芦生最大のカツラの巨木 幹周り9.95m 樹齢300〜400年)

山行日
2007年6月2日
天候
ほぼ晴れ
コース
新田辺6:30⇒8:30三国峠登山口8:50⇒10:00三国峠⇒11:00中山神社⇒11:20長冶谷作業所跡12:20⇒13:00野田畑湿原⇒13:50上谷⇒14:10長冶谷作業所跡⇒14:50下谷⇒16:00地蔵峠⇒16:30登山口16:40⇒18:00京田辺
参加者
リーダー:北川  サブリーダー:寺澤
男性:秋月・上角・白波瀬・西上・守口・山下
女性:秋月・杉本・西上・守口   一般参加:中村
合計:13名    

 

    山行報告  北川 欽造

/ 山口さんの担当だが、急遽代理を務めました。芦生の芽吹きの森林浴にあこがれた仲間達と2台の車に分乗し予定通り出発した。三国峠登山ロまでは狭い谷間の林道を生杉川に沿ってつめる。 登山口で各自ストレッチや柔軟体操の後、三国峠に向けて出発した。

 いきなり急登だがほんの少しでブナの原生林に入る。林床にはヒカゲノカズラ、イワカガミ、ギ ンリョウソウその他名も知らぬ草花が自然林に似合う。それに今まであまり経験したことがないく らい鳥の囀りが賑やかで森林の豊かさが実感させられる。

 程なく今回の最高峰三国峠(775.9m)でくつろぎながら写真を撮り合った。数組の他の登山者グル ープで賑やかだ。枕谷を下る。原生林の快適な森林浴だ。自然の一部分に解け入ったように、なごやかに下る。鳥の鳴き声の中、バードウォッチャーが観察している。谷川に沿い飛び石を渡り魚影 (タカハヤかな?)を見る。小石の散らばる岸にはアカハライモリも。そしてカエルの声も響く。

 沢沿いにトチノキ、ミズナラ、アケビ、ホウバそして芦生スギ、カエデ、ブナもよく目立つ。シ カの足跡やヌタ場も所々に。朽ちた木や倒木には多くのキノコ類も。中山神社の祠を過ぎ、上谷からの由良川源流との出合を下るとすぐに森は開け長治谷作業所跡だ。広い芝生の草原で時間は少し早いが昼食タイムを多目にとった。森林学習の生徒達が2台のバスで到着した。

 野田畑湿原は一面イグサが茂り、大学の研究員が仕事に余念がない。緑の中では薄紫色のフジの花がよく映える。ガイド付きの林間学習の生徒で賑やかだ。上谷をつめるがクツベ谷付近で折り返 し、大カツラを見たいという希望意見が出た。もう一度作業所跡を通り下谷へ入山する。由良川本流からはずれ、谷沿いの林道を散策する。

 一ノ谷を対岸に見つつ、河川敷へ下る。流れに沿う林床に芦生最大、下谷の大カツラに対面する。聖地の核心部を犯した気がした。トチ、サワグルミ、ス ギ、ホオノキ……多くの多くの樹木が繁茂し薄暗く雰囲気を盛り上げる。芦生の権化にふれ満ちた 時間が流れた。いや時が止まっている気がした。  

 地蔵峠へ向かう。本日最後の登りだ。難なくゲートのある頂上でここから林道歩きを楽しみ駐車場へ戻った。登山届は登山ロでも提出したが、芦生入山には京大農学部の管理だから、複雑な手続 きは要らないけれど許可証が必要だと他のグループのガイドが注意してくれた。こんな聖地をあっ さりタダで感動できるなんて当然もったいない気がしたものだ。守ロさん車の提供ありがとうございました。お疲れさんでした。また参加の皆様ありがとうございました。

ヒヤリハット     ありません。




/芦生原生林 
 

見事な木に感心する/ 

満足そうな面々/
 

来てよかった!/
「写真提供は秋月さん」


 
     ようやく行けた芦生     山下 隆 
かつての山友会の行事で、日帰りやテント泊の企画が行われたり、熊の出没で中止になった企画などが記憶にあり、そのすばらしさの報告が記憶の隅に残っていた。昨年の2月、近くの美山の雪祭りに皆で参加し、大いにはしゃいだ例会を思い出す。ここの奥が芦生だ。いつか、ぜひと も行ってみたいところで、「かんなび」が届くや、すぐに申し込んだ。  

 なにかとお世話になっている坊村のトイレ休憩所を経て、細い道を縫いながら進む。何年か前に来たという方が残った記憶を必死に思い出しながら、コッチだ・いやアッチだとアドバイスす る。北川運転手さんも記憶の糸をたぐるのに必死だ。「あのトイレで前回は休憩したから、これで 正解・正解」との犬年生まれ(?)のガイドにおかしくなる。白波瀬さんは40年前ぶりで、その当時の写真を持っての参加で、当時はアプローチも山行も難所だったとのこと。時と共に、色んな過去を忘れていくが、苦労した山行や経験だけが蓄積されるような気がする。今日は天気も最高でこれから出会う芦生の素晴らしさをしっかり記憶に留めたいものだ。忘れてしまったら勿体 ない。  

 京田辺から約2時間で、登山口に着く。アプローチにやや戸惑いながら、すべりやすい急坂に取り付く。落ち葉の隙間に真っ白なギンリョウソウが顔を出す。花時を終わった大きな葉っぱの大イワカガミが道の両側に畑のように広がる中を行くと、すぐになだらかな登りとなる。少し登 って三国峠に着く。ここからの下りが、デイス イズ アシュウ の始まり始まり。このところは雨がないのに地面はしっとりし、落葉樹の森は水をたっぷり含み、大きなブナの木に触れると 生き物のように木の鼓動が伝わってくるような感触だった。

 木漏れ日の中の新緑の中に吹いてく る清々しい風とオオルリ、ミソサザイの鳴き声やカジカの声(ヒグラシにしては早すぎるがカジ カにしてはオクターブ高くうますぎる)などに包まれての散策はなんと言っても最高だ!ところどころ杉はあるが、7割ぐらいは自然林が残っていると案内板にもあった。モミジやカエデの 大木もたくさんあり、紅葉の季節にはぜひとも又来たい。  

 草花の数は少なかったが、木の花が盛りだった。日当たりにはピンクのタニウツギの花が満開で、トチやホウの花にも会えた。トチの花は遠くから見ると子供のゲンコツぐらいだが、落ちた花びらは紅をつけた粉雪状で、初めて見たときは何だろうと皆でわいわいだった。圧巻は20mはあろう枯れ木に咲いた藤。満開に、日の光を受けて輝いていた。自然の中に藤娘が踊っている。 朝5時に朝食をしたというTさんはお腹が空いて、昼食はまだか?どこで?とリーダーに催促していたが、この藤娘を見つけるや、足早に彼女に近寄り、うっとりと写真におさめている。この時ばかりは「花よりダンゴ」を皆忘れた。

 ゆるやかで広い枕谷の道は又格別で、時々小川をシャ ブシャブと渡る。日当たりの良い谷間には真っ白なアジサイのような花をつけた木々(ミズキ?) にも何度も会えた。この谷間の雰囲気は芦生ならではだ。  

 時間にも体力にも余裕があったので、最後のショーを見ようと、長治谷作業所から下谷まで林道を往復した。幹周り25m、高さ40mはあるカツラの大木や苔むすトチの大木群に会いに行く。 さすがで山の神が宿っていそうだ。しばらくは、だれも帰ろうともしないで、ゆったりと過した。 今日も「ツリ」では、7回連続のボウズを更新し、楽しい山行だった。  

 絵手紙展の準備に出かけていた妻曰く。妻「主人は今日、アシュウに行ってるの」友人「どこの足湯におでかけですか?」おかしくて腹が痛くなったが、ビールを飲んだら直りました。北川 さんや同行の皆様お世話になりありがとうございました。