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山行報告 | 中島 貞夫 | |
/以前より希望の多かった赤木沢に行った。雑誌などで、きれいな谷に滝とお花畑が紹介されているのをよく見かけていたので、一度は行ってみたいと思っていたのがやっと実現できた。 明るい空、きれいな水、赤っぽい岩のナメ滝、山腹にはニッコウキスゲの群落と楽園の条件が揃っている。階段状の滝や、ナメ滝を楽しみながら写真を撮ったりしているうちに大滝下に到着する。 下からは岩壁しかみえないが、近づくと右側に30mの大滝があり水量は少ないが水しぶきは離れていても飛んできて気持ちが良い、滝の前を高巻きして落ち口に登ると、後続のパーティが来るのが見えた。ここからは小滝が続き2つ目の沢を右に入り源流をめざす。 周りが草原状になり稜線の雪渓が近づくと水の流れもなくなりお花畑の中を登る。ここで沢の装備をはずして靴を履き替える。薄いガスはあるが雲の平方面が見渡せて、水晶岳や赤牛岳への夢が広がる。重たくなったザックを担いで赤木岳から北ノ股岳、太郎山と夏山縦走の気分を感じながら太郎平小屋まで歩く。3時前に着いたので今日の内に折立まで下山することにして小屋を後にす る。下りると下界はガスと小雨であったが、少しも降られずに沢を登れ楽しむことができたのは幸運だった。 ヒヤリハット なし |
「写真提供は橋本さん」 |
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7〜8年前からあこがれの沢。“黒部源流”と聞いただけでもワクワクするし、明るく・真夏の青い空・ナメ滝の連続・源頭には黄や白の花々の咲く草原……魅力ある沢です。それがやっと今年実行となった。
しかし‥‥だんだんと衰えはじめた体力。更に、今春の雪の多さ。なかなか梅雨が明けない今年の七月。比良ヘク谷でのトレーニングでは水量が多く、寒かったこと。不安材料ばかりで、行 くまでほんとに悩みました。 前夜の薬師沢小屋で、鈴木予報士は「明日の天気は大丈夫」と言っているが、テレビの予報では「寒気団が下りてきて、昼前から不安定になり、雷雨かあるかもしれない」とのこと。またまた不安になる。リーダーの「5時出発」を「水が冷たい」と言って遅らせてしまう。 5時40分渓流シューズをはき、ヘルメット・ハーネスを身につけ、いよいよ出発です。私一人に山友会の頼もしい三人のガイド・コーチ付です。こんな恵まれたメンバーはないでしょう! 小屋横から黒部川の河原に下りる。澄みきった水は冷たそうであるが、水量は少ない。しばら く河原歩きだったが、腰まで水につかつて「お〜冷たい!」と言いながらのへつりや何回か高巻 きしたが、渡渉せずに赤木沢出合に到着した。ここから赤木沢の遡行です。とにかく明るい。天気も晴れている。前方に滝が見えるが階段状になっているので気持ちよく登れる。両岸にはニッコウキスゲが群生している。草付を巻いたり、段滝・ナメ滝・ゴルジュを進んでいくと、落差30m の「大滝」に到着。 迫力ある滝を背に4人で記念写真を撮る。ここを高巻きで登るとまた美しいナメ滝が現れる、 ここでラーメンのランチタイムにする。だんだんとこの沢のフィナーレが近づいてきて、水量も 少なくなると、草付の斜面にはハクサンイチゲ・キンバイ・イワイチョウ・チングルマ・コイワカガミ・コバイケソウなどの高山植物が咲いている。祖父岳・鷲羽岳・水晶岳を前にして「大」の字になって寝ころんだ。 あ〜念願の北アルプス黒部源流の赤木沢遡行は終わった……感無量です。いつまでも居たかっ たが、装備をザックにつめこんで出発です。 「今日は温泉に入って、おいしい魚とビールの夕食をしょう!」と元気を取り戻し歩き出す、赤木岳、北俣岳そして太郎平小屋を通過し折立まで沢・7時間、登山道・5時間のなんと12時間の行動でした。 同行のメンバーには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう!! |