810m         879m        
 

三郎ケ岳山頂で/

 山行日  2006年9月23日
天候
   快晴
 コース
新田辺6:58⇒8:30高井8:35⇒8:50千本杉9:20⇒9:50仏隆寺10:10⇒10:35小峠10:40⇒11:10高城岳11:50⇒12:20三郎ヶ岳12:45⇒13:25諸木野・高井15:52⇒16:05榛原16:26⇒17:25新田辺
 参加者
リーダー:伊丹  サブリーダー:内匠 
男性:稲垣、白波瀬、山下、嘉手刈(一般)
女性:中村
合計:7名    

  
    山行報告  伊丹立子
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 快晴に恵まれた秋分の日。彼岸花は満開、そして物見遊山的ではあったが、盛りたくさんの経験 ができた。高井バス停から今日の一日が始まる。一般の方の参加があり、自己紹介し合って出発す る。まず、伊勢本街道沿いにある井戸杉と呼ばれている高井の千本杉(樹齢700年・幹周25m・樹 高45m)に向かう。この杉の近くには津越家、松本家という古民家が昔の姿をとどめて残っており、 松本家では話好きのおばさんが邸内を見学させてくださった。近道を教えてもらい、彼岸花の咲く 畦道を仏隆寺に向かう。

 仏隆寺の長い石段沿いに咲く真っ赤な彼岸花が見事だった。下見のときは 人影もなかったのに、彼岸花見物で人も車もあふれている。充分に堪能した後、山行開始。登山口 の小峠に向かう。大きな団体の山行があり、抜きつぬかれつして頂上を目指す。しばらく急坂を登 り、視界が開け始めるとまもなく高城岳(810m)の山頂だ。広い山頂ではたくさんの人が休んでい る。秋晴れの下、南に台高、大峰、西に龍門、音羽の山々が見渡せる。少し早いが、眺望を楽しみながら昼食タイムとする。

 ひと休みした後、いよいよ三郎ヶ岳に向かう。高城岳と三郎ヶ岳は指呼の距離だが、高城岳からコブを2つ越え、笹の茂る急坂を登りきったところが三郎ヶ岳(879m)の 頂上だ。樹木が切り払われ300度の好展望。 室生火山群の住塚山、国見山が間近に迫り、高見山がまるで槍ヶ岳のように眺められる。展望を 楽しんだ後南へ下る。しばらく鎖の設置された急坂を下り、傾斜が緩やかになった所に、日蓮上人 座像などの磨崖仏があり見学。明開寺奥の院跡から伊勢本街道に下る。途中、愛宕神社に立ち寄る と、年に一度のお祭り日だとかで、お神酒をふるまわれた。楽しいことの多い一日となりました。

 



 
     
 
樹齢700年の千本杉/

三郎ヶ岳への急勾配を登る
「写真提供は内匠さん」





 感想                  仏隆寺から三郎ヶ岳     白波瀬 勇
 1週間ほど前の天気予報では、必ずしも芳しくなかったものの、いつしか予報が外れた。幸い 快晴に恵まれた秋空の下、爽やかな初秋の宇陀路を楽しく歩くことが出来た。  今日の参加者は7人、榛原駅前から出たバスの乗客は、意外と少なかった。仏隆寺のバス停に 降りたつと何処からともなくモクセイのいい香りがしてきた。モクセイといえば10月の印象があ って、少々早い気もするが、秋本番を思わせる。  

 最初に千本杉に立ち寄る。幹には16本の杉が植えられたのが一株のようになっていて吉野杉の 巨木の勇姿に圧倒される。そして立派な蔵のある民家を見て戻りかけると“仏隆寺へ行かれるのならこちらからでも行けますよ、よかったら家の中を見て行って下さい”と親切に言葉をかけて下さったご婦人の好意に甘えることにする。  

 案内のパンフレットによればなつかしいにほんの暮らしにこころがホットするがいみじ くも表している様に立派な古民家であった。今から約300年前の江戸時代、伊勢街道筋の旅篭屋 である。多くの旅人のほか馬も泊れる意味から看板はニンベンのない「やど」となっていた。馬 は玄関を入ってすぐの所に繋がれていたとか。歴史を感じさせられる三和土(たたき)や壁面、 キリシタン禁止令の立て札やかまど等が印象的だった。話は尽きないものの、お礼を述べて古民家を辞す。  

 本通に戻って仏隆寺に向かう。すると舞台は一転現実に戻り、電鉄会社主催のハイキング客の 姿が続き、マイカーも増えて歩行者は道路の端に寄らざるを得ない。白い花の彼岸花を見るとやがてお寺に着く。有名な桜の古木を中心に参道に至る両側には彼岸花が今を盛りと咲き競い見事である。2年前にこの地を訪ねたときは、既に咲き終わり、しかも小雨だった。しかし変らないのは、今回も色とりどりの秋桜が咲いていて、山里の風景とよくマッチして、目を楽しませてく れた。高城山の東屋で昼食、地元の山に詳しい人がここからの山なみの説明をされていた。  

 急登の続く三郎ヶ岳を経て、岸壁に彫られた魔崖仏を拝み、本伊勢街道へと下る。 突然キャーと女性会員の悲鳴が聞こえた。何事かと前方に 目をやると暖かな陽気に誘われて、ヘビくんが現れてカエ ルさんを狙っているところ、しかしカエルくんは、機転の おかげでかろうじて難を免れることが出来た。  

 秋祭りの愛宕神社に立ち寄ると地元の人が私たちにお神酒を振舞ってくださった。昔人が往来したであろう古道を バス停に向かう。路傍に咲くミズヒキ・ゲンノショウコほか季節の野の花がその清楚な姿を見せてくれる。後日談だがここで、ダ・カーポのコンサートに行った時の“野に咲 く花のように”にまつわるパンフレットの文を引用させて いただく。  雨風に耐えて咲くから美しく、踏まれてもなお起き上がるからこそ尊いのでしょう。野の花は目立たないけれど、ドッコイたくましい。可憐に咲いているけれど、しっかり大地に根を張っているのです。