――テント泊――
明神平・国見山1419m・明神岳1432m

日 時 2006年2月11日(土)〜12日(日)
天 候 晴れ 雪
コース ◆2/11
新田辺6:40発→大又林道終点P9:50→明神平12:30
国見山15:00→明神平15:50着(テント泊)
◆2/12
明神平7:30発→明神岳8:30→明神平9:40→
大又林道終点P11:00→やはた温泉11:20(入浴)→
新田辺15:30着
参加者 リーダー:山口  サブリーダー:佐々木
男性:岡部 金本
女性:大谷 濱北
合計:6名


<山行報告>

 明神平のテント泊は今回で3回目、2002年の2月例会で初めて登った明神平の霧氷の幻想的な風景が脳裏に焼きついていた。その後は明神平のテント泊の機会が無く、自分で昨年2月の例会に提案した。平松さんリーダーをお願いしてやっとテント泊が実現した。私の初めての雪山のテント泊は2001年5月に中山さんに連れてもらった春山の三伏峠でした。この時は残念ながら雪崩で途中断念したが、昨年7月三伏峠から塩見岳・北岳の縦走でやっと三伏峠に行く事ができた。その後は雪山を体験し冬も山を楽しむ事ができるようになった。

 明神平は昨年3回登り、また今年1月にも登っているので、今回はテント泊でもゆっくりと雪山を楽しむ事ができた。1月には積雪も1m位あり、明神平ではマイナス4度で、昼食用のガスが出ず、持参のうどんを作るのに苦労したが、今回は雪も50cm位と少なくて気温4度と小春日和の暖かさでした。12:30に到着してテント場の雪をならしてテントを設営した。

 テントの中で昼食を済ませて国見山に登った。雪は締まっていてアイゼンだけでラッセルも必要がなく1時間で国見山に到着した。晴天の青空と光り輝く樹氷の中をメンバー6人が独り占めだ!水無山の手前は展望が開け明神平から薊岳、また遠方には大峯山系が美しく輝いている。

 20台ほど停まっていた登山者も明神平までで帰ったようで、テントは大束市の今村さんの一人だけでした。5時から早速に夕食の準備に取り掛かる。今晩のメニューは大谷さんが調達の地鶏2羽のすき焼きです。岡部さん持参のシャンペンで乾杯し、楽しい夕食がはじまる。重い荷物を持ってきた甲斐があり、今村さんも呼んで焼酎とウィスキーのお湯割りなどで盛り上がるが、私はシャンペンだけで酩酊。夜中は時折、強風とテントを叩く音、雨かと思っていたが風で樹氷が落ちたらしい。

 朝起きるとテントに10cm位の雪が積もっている。粉雪が舞い、昨日と違い曇天の空だ。昨日のすき鍋にうどんを入れて朝ごはん。7:30に明神岳に登り、9:30にテント場にもどってきた。テントをたたみ直ぐに下山し11:00に林道終点駐車場に帰ってきた。明神平登山お決まりの「やはた温泉」で入浴して昼食し、15:30に新田辺に無事帰ってきました。2日間素晴らしい樹氷と雪山を満喫しました。運転していただいた佐々木さん、メンバーの皆さんありがとうございました。
(報告者:山口)
 

国見山の手前にて 2日目の明神平は墨絵のような景色

<感想>

 一度は経験したいテント泊、すべてが始めてで、寒さに耐えられるだろかと、不安と期待を抱きながらの参加でした。6時30分京田辺を出発。9時登山口へ、駐車場には10数台の車、一面の雪、アイゼンをつけて登山開始。ザックも重く高度を上げるとともに積雪も増し、口数少なく、ゆっくり慎重に歩く。

 雪はキラキラと輝き、すべての木々に樹氷の花を咲かせている。岩にしみ出た水は大小のツララとなり、勢いよくしぶきを上げて流れ落ちる。明神滝もしぶきが氷となり、淡い水色で幻想的な冬の情景をさらに味わい深いものにしていた。明神平の樹林の中へ手際よくテントを張り、その中で昼食、テント泊なので急ぐこともなく、充分時間はあるので、空身で水無山から国見山へでかけた。ブナ、リョウブ、シャラの広葉樹林の中、青い空と白い雪との調和、四方の山々を眺め、ゆっくりと雪山歩きを楽しみました。

 テントに戻り夕食の準備、具沢山、実沢山の鳥鍋です。お酒を飲んでみんなワイワイ楽しくて身も心も暖まりました。後は寝るだけ、外は寒々として月が煌煌と輝き、シーンと静まりかえっていた。6時過ぎ蓑虫状態で寝袋にもぐりこんだ。うとうとした夢の中、強い風音に目覚め時間を聞けば9時とのこと、再び外へ出てみると、月の輝きはなく白い暗闇、風が強く雪が舞っていた。

 翌朝、朝日に輝く雪景色は望めなかったが、広大な明神平は粉雪が舞い、夜半の雪で足跡も消え、新雪をふみ明神岳へ向かう。辺りはシーンと静まり空気まで凍っているようで、深いブナ林の白い舞台から、雪の妖精が現れてきそうなメルヘンの世界へ……。

 明神平に戻りテントを撤収、9時過ぎに下山。11時やわた温泉で2日間の汗を流し、16時京田辺へ帰った。沢山の荷を背負った力持ちの男性の方々、食料調達の大谷さんお世話になりました。不安いっぱいのテント泊でしたが、冷えもなく身も心も暖かく、充分に用意したカイロも使用せず快適な時を過ごせました。皆さんの優しさに、この上ない思い出になりました。
楽しさいっぱいでテント泊にはまりそうです。
(濱北紀子)



テント泊の1週間後(2月19日)の明神平の樹氷と雪景色

  



☆ 明神平にて
      花ぼうろ 静けき立ちぬブナりんの 古木(こき)をも(はな)(よそお)にけり

      明神の (いただ)き遠く白くして 霧氷の平に薄日()しけり
      
     国見より かえりみすれば全山の 霧氷の木立は桜花のごとくに

 
   明神の 平に張りしテント場の 霧氷の木立に月照りにけり

                                                (佐々木 英夫)