台高山脈    1309m


/迷岳山頂

 山行日  2006年5月21日(日)
天候
  快晴
 コース
三山木/高木橋6:05→香肌峡温泉駐車場8:25→登山口8:45→本屋根分岐9:35→飯盛山9:55→1079m独標(昼食)11:05〜11:40→迷岳12:25〜12:50→唐谷分岐13:25→林道終点14:05→香肌温泉駐車場15:20→ホテルスメール温泉入湯15:40〜16:50→京田辺19:00
 参加者  リーダー西上正
 男性:橋本 平松 片山 遊佐 守口 西川 秋月
 女性:山田 橋本
 計:10名

  
    山行報告  西上 正
/ 橋本号・守口号に分乗して予定より一寸早めに出発出来た。心配された車の渋滞に全然遭わず快調 に現地に30分早く着いた。天気は快晴で申し分のない登山日和である。駐車場で準備体操をしながら 眺める先にこれから登る急峻な山容が迫っている。橋の袂に登山届けのBOXがあり、初めて届の持参 を忘れたことに気が付く、橋本さんが早速メモ紙に書いて投函して下さった。今回の山はあまり資料 がなく、H15年5月に登られた「らくなん山の会」の吉野さんに相談したところいろいろ資料を戴き、 又奥西会長の山行報告など参考にさせてもらった。其れによると登山取り口は唐谷川の橋を渡って川 の左側を10分くらい歩くとある。それで橋を渡って調べてみたが其れらしきルートが見当たらない。 結局平松氏や片山氏の指す橋の袂(川の右側)を行くと鬱蒼とした杉林の中に登山口の道標があった。  

  飯盛山930m、標高差600m今回の最大難所である。のっけからジグザグの急登になる。平均斜度45度 はあろうかと思われる道が続く、ところどころ岩が出っ張っている所もあり、垂直に登るところもある。スリールがありおもしろい、木の根や幹を掴んで高度が稼げる。通常なら汗がしたたり落ちると ころ、今日は爽やかな風が汗をふき取ってくれる。遊佐さんの「久しふりに山らしい山に登れた」と 声が下から聞こえて来る 。 

  本屋根分岐からも痩せ尾根の急登が続く、しかし適当に変化があり疲れも・時間の経過も忘れがち になる。樹木の間から奥香肌湖が直下に見られ高度感のある景色が楽しめる。シャクナゲの大木が散見出来る花は終っている。930mの飯盛山に登り着いた。眺望は木々の間だから奥香肌湖の真青な湖面が キラキラと光って見える。登りは緩やかになり歩きやすい、小さなアップダウンを繰り返しながら除 々に高度を上げて行く、1000mを越えるとシヤクナゲが今が盛と美しい、アカヤシオツツジもピンク 色に咲き誇っている。唐谷分岐を過ぎ1079mに登って来るとブナやヒメシャラの樹林帯に入り情景が 一変して木々の芽吹きが始まっている。山頂手前で再び急登になるが待望の迷岳がそこにあると思う と馬力が出て来る。

  ブナの木々に囲まれた頂上は広がりのある山頂で大変雰囲気が良い。20人位の先 客が寛いでいる。写真を撮ったりして30分位休憩の後道を間違わないよう気をつけて下山にかかる。 計画は来た道を折り返しであったが、あの急坂を下りるのは恐ろしいと言う声も多く唐谷分岐まで戻 り、一般的な唐谷コースを下ることにした。この道は植林の中を通る眺望が全然きかない味気ない道 であった。急勾配ながら良く踏まれているので危険は少ない。40分位歩いて唐谷川に出た。川向かい の道を川に沿って下る。轟音が足元の樹間から聞こえて来る。三の滝のようだ。二の滝や一の滝は見 られなかった。川沿いに下ると朝登った登山口に行くが、一寸でも早く下りたいので林道を選んだ。 道は荒れていたが計画より1時間早く下山出来た。

  香肌峡温泉/ホテル・スメールの温泉に入った。入 湯者も少なくユツクリと温泉を楽しめた。ここから眺めた急峻な山が「迷岳」と山行案内をしていた が「飯盛山」の間違いであった。迷岳はその奥で見えなかった。お詫びして訂正します。   橋本さん・守口さん車の運転お疲れさんでした。今日の山は皆さんに「また来ても」と喜んでもらっ た。企画した冥利を感じました。有り難うございました。   
 



 
   //
きびしい岩場が続く/


新緑のブナ林・迷岳山頂まであと少し/


唐谷川への下り/ 


a
山ツツジが満開

aaa
シロヤシオ

aaa
シャクナゲ

aaa
   アケボノツツジ


   [写真提供は片山さん・秋月さん]



    感想            険しき飯盛山をへて迷岳(まよいだけ)(1309m)へ

 なぞめいた名前の山に惹かれて、参加の申し込みをした。ネットやガイドブックで調べたところ飯盛山経由のルートはかなりの急登があり、岩場の難所もありで昔は登山の困難な山といわれていたそうだ。今回はその飯盛山のコースを往復するとなっている。
 
 2台の車に分乗して京田辺から2時間半、香肌峡温泉ホテルスメールに着く。近くの洞窟美術館横の駐車場に車を置く。唐谷川にかかる橋のたもとに登山ポストがあり、ここが登山口らしい。目の前には岩肌をあらわにした飯盛山が大きく迫っている。迷岳はさらに奥らしくここからは見えない。川に沿ってしばらく歩くと登山口の標識があり、すぐに樹林帯の急登がはじまる。ジグザグに登ること1時間、ようやく尾根筋に着いた。やれやれと思ったらこれからが大変、木の根っこや岩の出っ張りを手がかりに3点確保の連続、半端ではない。必死で根っこを捕まえ勢いをつけて上がると、こんどは出っ張った枝で頭をごつん。途中、畳2〜3枚くらいの1枚岩のわたりでは左側は断崖絶壁、足でも滑らしたら真っ逆さまで、雨の時は要注意である。

  やせ尾根のきつい登りを繰り返しながら、ようやく飯盛山の809m峰に到着。いったん下って登り返し飯盛山の二つ目のピーク930m峰も確認した。木々の間からは遙か下界に蓮ダム湖の水面がきらきら輝いて美しく見える。やがて傾斜も多少緩やかになり、ブナやヒメシャラの明るい樹林帯にはいる。低い所では散ってしまっていたシャクナゲの花が1000mを越えるあたりではまだいっぱい残っている。赤紫の濃いシャクナゲに混じって、オレンジ色の山ツツジの花が目を楽しませてくれる。

  迷岳への急な登りが続く途中、唐谷川へ下る分岐に出た。ここが1079mの北肩のコルらしい。
今日の登山中初めての登山者に出会った。唐谷川の登山口から登ってきたとのことで、ここまで2時間のコース。我々も下山は飯盛山のルートを止め、このコースを利用することになった。

  登山口から3時間、早朝の出発でおなかがすいたとの声が出始め11時過ぎに早めの昼食となった。このあたりは「シャクナゲ」をはじめ、真っ白なツツジ「シロナシオ」、薄ピンクの「アケボノツツジ」、オレンジ色の「山ツツジ」などが咲きみだれ見事だった。 
ここから迷岳山頂までは最後の急な登りが続くものの、ブナやヒメシャラの新緑で明るい林が続く。さわってみるとヒメシャラのひんやりした幹肌に暑さも忘れる思い。尾根筋の下界から吹き上げてくる風が心地よい。12時27分、休憩をいれて4時間がかりでやっと迷岳山頂についた。山頂は樹林に遮られて視界はきかないもののかなり広く、先客の20人ほどがくつろいでいた。30分ほど休憩し、記念撮影のあと唐谷への分岐に向け出発した。

  唐谷川の分岐からは杉・檜の樹林帯の急坂をジグザグにくだる。やがて遠くせせらぎの音とともに木々の間から川の流れが見えてきた。しかしここからがなかなか長い。1時間かかってやっと唐谷川に着いた。澄み切った渓流は気持ちがよい。2回ほど渡渉を繰り返し渓谷ぞいの道を歩く。二の滝か三の滝か分からないが水量も多くすごい滝である。この渓谷は夏場になると沢登りでかなりにぎわいそう、でもかなり上級と思われる。最後の渡渉で川沿いのコースを離れたらそこが林道の終点。立派な広場(駐車場)があった。ここが唐谷コースの登山口らしい。ここからはコンクリート舗装の林道が延々と続く、1時間かかってやっと車のある洞窟美術館横の駐車場に到着。

  振り返ると飯盛山の勇姿が夕日にかがやいていた。登り4時間、下り3時間の長帳場であったが満足した“迷岳”登山であった。
ホテル・スメールの温泉に入って汗を流し、疲れた体をほぐした。
今回の迷岳山行を企画して頂いた西上さん、車を出して頂いた橋本さん、守口さん本当にお疲れさまでした。ご参加のみなさんもごくろうさんでした。          (片山弘志)