――富士山系――
宝永山 2600m

日 時 2006年2月18日(土)
天 候 曇り時々晴れ
コース 京田辺市(2/17の23:30出発)→御殿場口(2/18の9:00着)9:30発→
宝永山13:50→御殿場口16:00→京田辺市
参加者 リーダー:中島    サブリーダー:橋本(寿)
男性:鈴木  女性:市橋
合計:4人




<山行報告>

 昨夜11:30京田辺を出発したが、登山口に着くのが遅くなってしまいスタートが9:30になってしまった。
スカイラインから太郎坊の駐車場への道は閉鎖されているのでトンネルの横に車を置いてそこから山に入る。雪は表面にうっすらと残っているだけで大変少ないが凍っている。黒い火山礫と白い雪のコントラストのはっきりとした所を登り二つ塚の東を宝永山めざして進む時折ガスが流れ宝永山や富士の剣が峰が青空をバックにして見える。

 黒い火山礫に氷が着いているのに陽射しがあたるとダイヤモンドがキラキラ輝いているようである。二つ塚を過ぎて2000m位から勾配がきつくなってきて私が遅れ出す、橋本、鈴木は直登で先行しその後を市橋が登る。少しでも楽に登ろうと思いジグザグにコースを取りなんとか付いて行ったが、ついに鈴木がみかねてリュックを交換してくれた。

 しかし時間は2時前、宝永山まで1時間はかかりそうでこのまま登っては、下りが暗くなるかもしれないと判断してここから下山することにした。下りは砂走りコースをとったが勾配は変わらずきついので慎重に下りていたが、市橋が転倒その前の鈴木も転倒したが幸い1mほどすべっただけで止まりけがもなかった。

 気温が上がっていて雪が凍っていなかったのが良かったと思う。二つ塚から戻りのコースが分からなくなり夏山ルートの標識で旧スキー場の駐車場からスカイラインへ出て車へ戻れた。今回は自分がバテた。
寝不足、シャリバテ、荷が重い(ロープ、わかん、スコップなど)等いろいろ反省しなければいけないことがあったと思う。
(報告者:中島貞夫)

※ヒヤリハット
下山中2人が転倒したが怪我はなかった。 
二つ塚からの下山コースが分からなくなった。



            


     


             

<感想>

 以前から積雪期の富士山に登ってみたいと思っていた。昨年の12月に冬山訓練として富士山を計画したが実施できず、その際に冬季の山情報や道路情報を収集していたので、出来るだけ早い機会に行ってみたいと思っていて、今回の運びとなった。ルートは当初、吉田口・佐藤小屋からのピーク狙いであったが、小屋がこの週はやっていなくて、初見の我々には荷が重く、御殿場口・太郎坊部(標高1280m)から入山し、宝永山を目指した。

 うっすら白くなったまばらな樹林帯を1時間ほどで抜けると、黒い砂礫に白い雪のだだっ広いモノトーンの火山砂礫地は荒野の風景である。下山する時は広すぎて「このポイント」が見つけにくいと感じ、枝に付けられた「赤布」をしっかり確認しておいた。(結果はこのポイントが分からず、別道を下った)登るにつれて積雪が増し、勾配も増してくる(ここでビーコンをセットする)

 天気は風のためか刻々と移り変わり、時々富士のピークが見え、さあー写真でもと思うともう見えなくなる。広い雪原とその上の白い峰を眺めていると「富士山に来たんや」と言う事を実感した。3〜4組見かけた入山者はスキーを担いでいたが、この雪では板が傷むと言って、下山して行き、我々の他誰も居なくなった。

 2100m付近を越すと急に勾配が増し、真っ白な雪山(もちろんトレースなど無い)。所々に「ゴマ」を散らしたような所があって、遠くからは岩場かと思うが、近付いてみると、雪面に2〜3mm大の黒い火山礫が何処からか飛んで来て付着しているのだ。雪の状態を調べるためショベルで地表まで掘ってみる、70cm位の積雪で上部10cm程は新雪、地表は水分があり、少し雪崩が気にかかった。

 ここから目指す宝永山(2693m)まで、ピッケルとアイゼンを効かして、直登してみたり、ジグザグ登りを試したりして、高度を上げようとするが、山が大きいが故に中々近付いた感じがしなく、寝不足とザックの重さに疲れを感じ、またずっと同じ傾斜に足を置いての登りで、ふくらはぎも疲れて来る。

 2600m弱地点の露出した岩場で一休み、時間を見ると13時30分、宝永山が目の前に見えるが時間切れだ。辺りは快晴、紺碧の空に白い富士が神々しい。下方を眺めると結構傾斜があって、滑ると400〜500mは止まらない感じがする。下山にかかるとしよう。雪面に3m位の標柱がある「大砂走り」コースをとる。今迄以上にピッケルとアイゼンを効かして下った。

 広い雪原に戻った頃はガスの中、少し案じていたように、下山道を間違うが、東南東方向に下ればスカイラインに必ず達するので、そのまま進み道路に出て、山行は無事終了した。今年の富士山は雪が少ないとのことであったが、所期目的の傾斜のある雪面でのピッケル操作、アイゼン歩行が出来た。次は吉田口・馬返しから5合目経由で、富士山への希望が拡がった。
(橋本寿夫)