生駒 大原山 523m

日 時 2005年5月14日(土)
天 候 快 晴
コース 新田辺8:02発→西大寺8:19→生駒8:30→
元山上口8:59→金勝寺9:20→千光寺10:30→
鳴川峠12:00→大原山12:30→枚岡駅14:30→
新田辺15:35着
参加者 リーダー:白波瀬  サブリーダー:稲垣
男性:藤原 志賀 上角 西川
女性:藤富 内匠
合計:8名

<山行報告>
 新田辺から西大寺と生駒で乗り換え、近鉄生駒線で元山上口駅に着く。この路線は、初めて乗る人もあって、ローカル色豊かで矢田丘陵と生駒山脈を眺めながら走る。近くに金勝寺と言う古い由緒のあるお寺を往復する。建物は古色蒼然として、歴史の重みを感じさせる。人を乗せて往来したであろう籠が軒に吊るされていて、当時が偲ばれる。
ここ平群町を流れる竜田川は、百人一首で有名な在原業平の歌を思い出す。

   ――― 千早振る 神代も聞かず竜田川 から紅に水くくるとは ―――

 急な石段の山口神社を過ぎた頃から、のどかな田園風景が展開する。山間地なのに日当たりの良い田畑に見事に育った野菜や花卉類が見られ、特に細長い棚田が目を惹く。そしてこの風景にそぐわない高いところに架けられた橋梁を仰ぎ見る。耳を済ますと時々橋を渡る車の音が聞こえてくる。やがて鎌倉時代の作と言われるだけあって、古色蒼然とした清滝石仏群を過ぎ、てくてくマップに説明があるように“黒と白 交差する直線 素晴らしい構成美”の風格ある民家にさしかかると、ほどなく千光寺である。

 大峰山が開かれるまでは、ここ千光寺で修行した事から元山上と呼ばれる。境内を抜け猿岩・平等岩等を経て鳴川峠に着いたのが正午だったが、昼食してすぐ坂を登るのも辛いので、更に目的地である大原山を目指す。大原山といえば“へーそんな山、何処にあるの”と疑問がわくが、何のことはない、生駒山の府民の森でもあるぼくらの広場をさす山だった。

 一帯は高原状になっていて今を盛りと各種のツツジが咲き乱れ、日差しを避けて新緑の見事なコントラストを眺めながら木陰で昼食をとる。帰路は神津嶽を経て枚岡梅林へ下った。
この日、新田辺から乗車したのは7人で、得々切符を有効に活用さしてもらい、一日を楽しむことが出来た。
(報告者:白波瀬 勇)


  
新緑の山歩き                               鳴川峠で一休み


標高525m大原山(僕らの広場)      ※左後方は生駒山の鉄塔


―――風かおる大原山―――

 ゴールデンウィークもあっという間に過ぎ平穏な生活に戻ったころ、若葉が茂る山々に行きたくなった。
山行案内の「大原山」が目に入り、京都の何処に位置するのかと思いしや内容をみると奈良の生駒山系でした。

 近鉄生駒線の元山上口駅で下車すると静かなたたずまいの山村風景でした。鉄道に沿って川が流れている。
その川は「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 ……」と万葉の歌人、在原業平朝臣が詠んだ竜田川。古来より紅葉の名所として人々に愛されている。蛇行する川岸から若葉茂るもみじが、水面近くまでのび朝日をあびてキラキラ光っている。一句詠みたくなる光景です。

 傾斜地の住宅街を抜けると、見晴らしの良い山道に出た。段々畑が眼下に広がっている。細長く滑らかな曲線を描いたような田畑が、幾段も続き整然と手入れされた棚田風景はとてもきれいでした。静かで心安らぐ農村景色を見ながら山に入っていくと、頭上にコンクリート大橋が見える。はるか空中に道路が通っていて、時折車の轟音が響いてくる。

 清滝の石仏群を過ぎると家々の屋根が密集している。ここは鳴川の民家で、白い壁と黒い木材が目立つ大きな家構えです。千光寺の山門をくぐり、行場へ向かったが標識がなく、山中をウロウロしているうちに、蛙岩や大黒岩を通り、鳴川峠へ行く道に出た。山道は爽やかな風が吹き、木々の香りが漂い、今日はとっても気持ちいい森林浴と山歩きです。程よい汗をかき、一息入れたい頃、標高525m「ぼくらの広場」に着きました。ここが大原山で、大阪湾が一望できる展望公園になっています。

 案内標識に沿って右から左へと見渡すが、あいにく霞がかかり、大阪の景色は明瞭には見えません。ああ惜しいね、雨上がりだと見えるだろうなと言いながら、林立するビルや、動脈のように流れる道路網の大都会を見ると、人間の素晴らしさというか、凄さに感動します。「大阪城はどこ?見える?」と大抵の人は言う。大阪の目印はやっぱり大阪城なんだ、秀吉もあの世でさぞ満足しているだろなと思った。

 大きな桜の木下で昼食をしてのんびりと景色を楽しみました。遠くから眺めるツツジは鮮やかなピンクでとても綺麗、でも近づいてみるともう咲き終りです。多くの人を楽しませてくれた花を惜しんで、再び森の中を歩く。神津嶽の展望台からは真下に広がる大阪平野を眺めた。地元の人が方角や建物、枚岡の歴史をいろいろ説明してくれました。地域を見つめ愛する気持ちが感じられました。そして梅林を見ながら枚岡神社へと下山しました。
(内匠美佐子)