北アルプス
西穂高岳独標 (2840m)
日 時 | 2005年12月30日(金)〜2006年1月1日(日) |
天 候 | 雪後晴れ |
コース | ◆12月30日(金) 京田辺5:00発→新穂高温泉11:25→ ロープウェイ西穂高口13:18→西穂高山荘15:05着 ◆12月31日(土) 西穂高山荘7:50発→独標10:05→西穂高山荘13:30着(泊) ◆1月1日(日) 西穂高山荘10:00発→ロープウェイ西穂高口11:10→ 新穂高温泉12:25 |
参加者 | リーダー:中島 サブリーダー:橋本(寿) 男性:鈴木 女性:市橋 橋本(香) 合計:5名 |
<山行報告>
12月30日(金)
朝から小雨模様だったが、31日は良くなるとの予報で車で出発した。道中では時々小雪混じりであったがロープウェイで上がると雪が降っていた。山荘への路にはトレースがあり、アイゼンを付けてスタートした。同じゴンドラで上がった登山者は2組、5人だけだった。山荘へ向かう登りから風が強くなってきて吹雪になってきた。しかし登り3時間は覚悟していたが、2時間で着いて良かった。山荘の暖かい中に入ってほっと一息ついた。
天候のせいか泊まり客は少なく、夕食は我々を入れて17人で部屋も1部屋でゆっくりと休めた。風は暮れるに従い強くなってきて明日が心配だったがラジオの気象情報も、テレビの予報も日本海の低気圧が明日朝には太平洋へ移動すると告げており良くなることを期待して寝た。日付が変わる頃から風の音も静かになった。
12月31日(土)
朝食が遅い為、出発が遅くなってしまったが、それでも稜線にでると強い風で動けないときが時々あり思うように進めない。しかし空には雲は一つも無く遠くの山がはっきりと確認できる。特に焼岳の後ろに大きく乗鞍岳がどっしりと鈍い色を発している様は圧巻である。それに反して白く連ねる笠岳から弓折岳、双六岳から裏銀座の展望は素晴らしい眺めだった。遠く南アルプスのすぐ横には大きな富士山が見え、八ツ岳も連なっている。ゆっくりではあるが独標に登ることができた。
10人ほどの登山者が景色を見ているが、時折強い風と寒さで立っていられない。ここからは岩稜が続き、我々のパーティの力量ではロープを使わないと進めないと判断したが、それでは往復の時間がかかって夕方までには帰れないのでここから戻ることにした。それでも独標の下りは危険が予想できたのでロープを使って鞍部までおりて、ゆっくりと進んだ。
風もだいぶ弱くなってきたので、あらためて周りの山を見ながら楽しんだ。正面に白山連峰が近く大きく雲海に浮かんでいる。こんなにはっきりと見えるのは、冬の季節ならではと思う。今日は大晦日で登山者も多く山荘も150人を越す人で混雑していた。それでも5人一部屋で寝られたし、部屋は暑いくらいでゆっくりとくつろげた。
1月1日(日)
今日は下山して帰るだけなので、山荘の近くで雪上歩行トレーニングをしてゆっくりとスタートした。今朝は遠くに雲があってご来光は見られなかったが頭上は青空が広がっており、風もないような感じがした。帰り路で槍ガ岳や大喰岳、南岳などがはっきりと見ることが出来た。
(報告者:中島貞夫)
エビのシッポと霞ヶ岳 西穂丸山
丸山から焼岳と乗鞍岳 西穂高の連山
(※写真提供は橋本さん)
――訓練山行記――
我が家の二人はここ10年程、年末から年始を雪山で過ごしています。
今回は新年にしがらみの無い5人(市橋、鈴木、中島、橋本二人 このメンバーでの正月山行は1997年の甲斐駒ヶ岳以来)で北アルプス・西穂高岳を計画した。
山行報告や感想文は当然会報に載せますが、今回は本番山行に至るまでの過程を報告してみました。・・・・ここで「タイトル」が映える理由として、冬山は全ての面できびしさがあります。因ってそれに立ち向かう訓練が必要であり装備の確認やメンバーの意思統一も求められ、又各々の体力、精神力の高揚を目指すために行なった。
11月3日(祝) 美濃・三周ケ岳 / 曇のち雨 / 全員 <目的> ボッカトレ
岐阜県側の池の又谷からの登山口は整備された駐車場がある(例年なら紅葉の最盛期なので車があふれていた) 側に水場があって、各自用意してきたペットボトルに水を入れ、それぞれ14sを越し20sまでの荷を担ぎ歩く。どうしても冬山は装備類、防寒対策で荷物が重くなるので、これに対応するトレとして行なった。
12月18日(日) 比良・堂満岳 / 雪 / 全員 <目的> ピッケル、アイゼントレ
大津を過ぎるとかなりの雪が降っている中イン谷へ、久し振りにピッケルを手に、プラブーツにアイゼンを装着し、正面谷〜堂満岳〜東稜道コースをとる。例年よりはるかに多い積雪の中を本番並みのスタイルで歩くが、やはり無雪期より大幅に時間を費やした。
12月25日(日) 湖南・笹間ケ岳 / 晴 / 3人 <目的> ザイルワーク
上森町より入山、同じ滋賀でもここは南部、少しの雪がある中ピークへ、ここでザイルの扱い方を練習した後ハーネスを装着し、20mザイルを使い本番を想定して「コンテ」で歩く。(コンテとはザイルで結ばれたパーテイが同時に行動する = 同時登攀)大谷河原よりルートを外しヤブコギをしてみる、コンテでは進み辛くザイル解除をして、矢筈ケ岳への稜線に出たのち下山。
その他に富士山でのトレやらを予定していたが、事情により中止。又全員揃っての訓練はなかなか日程が合い難く、最初のトレから1ヶ月以上間が合いてしまったが、結局上記の3件が訓練として実行出来た。
大まかな山行計画は12月初旬に全員で検討したが、今年は雪が多く、コースや宿泊方法は間際の雪情報で調整する事としたため、最終計画書は12月25日に完成した。
(記録:橋本寿夫)