―――奥秩父・奥多摩―――
甲武信岳(2475m)・両神山(1724m)

日 時 2005年5月3日(火)〜5月5日(木)
天 候 晴 れ
コース ◆5/3(火)
京田辺6:30発→諏訪湖SA12:00→須玉IC13:40→
毛木平15:40→十文字峠17:25→十文字小屋17:40(泊)
◆5/4(水)
十文字小屋5:40発→大山6:30→武信白岩山7:40→尻岩8:20→
三宝山9:40→甲武信岳10:40(昼食)→千曲川・信濃川水源地12:40→
ナメ滝13:40→毛木平16:10→こまどり荘18:10(泊)
◆5/5(木)
こまどり荘6:20→落合橋6:50→登山口7:00→八丁峠8:00→西岳9:10→
東岳10:40→剣ヶ峰1120→東岳12:10(昼食)→剣ヶ峰13:20→
落合橋15:15→甲府南IC17:30→恵那SA20:00→京田辺23:20着
参加者 リーダー:山口  サブリーダー:佐々木
男性:秋月 徳田 西上 村上
女性:伊丹 大谷 駒井 西上 濱北 堀尾
一般:徳田 吉野
合計:14名


<山行報告>
5/3(火)
 5月の連休には、専ら個人山行をしていたが今年度は例会を提案しました。
3日間の天気予報は晴れマークで心配ないが、連休の交通渋滞が懸念される。新田辺から大住ヶ丘、松井山手経由で八幡東ICから京滋・名神に入る。朝早く出発したのに、関が原で小牧20キロの渋滞情報が出る。中央道では大丈夫だろうと覚悟を決める。名古屋万博の影響か中央道に入っても渋滞が続き瑞浪辺りでやっと解消された。毛木平駐車場には3時間遅れて15:30に到着したが、今日は十文字小屋泊まりで2時間あれば到着できるので明るいうちには到着できる。十文字小屋へは時間通りに17:40に到着した。

5/4(水)
 下山した人の情報では、登山道はかなり残雪があり踏み跡外すと膝まで沈むとのこと。コースタイムより時間がかかると思われるので朝食後直ぐ5:40に出発した。初めから急登となり40分で大山に着く。雲ひとつない快晴でここからの展望が素晴らしい。大山から1時間で武信白岩山についた。ここからは残雪を踏み外して片足が膝まで沈み雪に埋まる。この時季の雪は水分が多くてセメンで固めたようになり抜けない。徳田さん、堀尾さんがピッケルで周りに雪を除去するがなかなか抜けない。周りを大きく取りやっとのことで抜けたが一人であれば大変だ。

 大きなお尻の形の尻岩を過ぎるとやがて三宝山につく。甲武信岳(剣ヶ峰)より8m高い。南に富士山の勇姿がみえ感嘆の声が上がる。富士山はどこから見ても感動するがここからの富士山は大きくて美しくて雄大だ。雲一つ無い青空で正面に八が岳の連峰が西に雪を冠った南アルプスが遠望できる。10:40に甲武信岳についた。予定より1時間早い。のんびりと1時間の昼食タイムは天気良いし素晴らしい展望に至福のひと時でした。

 下りは途中でアイゼンを装着する。かなりの残雪だが千曲川源流遊歩道は雪道だが歩きやすい。芽吹きまえの明るいブナ林の中を川の音を聞きながらの下りは実に快適でした。ナメ滝の手前の川辺でコーヒータイム、ハイキングに来ている気分だ。毛木平に16:10に到着し中津川林道を大滝村へ。林道は桜のトンネルと新緑が鮮やかでしたが、ガタガタの林道の2時間は運転手さんは大変だったと思います。

5/5(木)
 こまどり荘で豪華な朝食を頂いてすぐに出発した。登山口の上落合駐車場には30分で到着。「初心者は登れません」という標識があり、ガイドブックにも上級者コースとなっていたので今回の14人の中に2000m以上の山は初めての人もおり、気を引き締めて登らねばならない。いきなりの登りになり八丁峠までは急登だ。西岳へは垂直の岩に鎖場の連続で上級者コースとあるのがわかる。正面の東岳は岩場がそそり立っている。ここでOさんが怖いので待っているとのこと。

 登頂を諦めて下山する組と、登頂して日向大谷に下りバスを回送するか検討する。万一の時を考えて全員統一行動をする事にしてOさんの判断をあおぐ。Oさんも頑張って登るという事で予定通り全員登頂を目指す。岩場は登り易くて鎖をつかんでいれば危険は無いが高所の恐怖があるようだ。両神山への登山道の両脇にはアカヤシオツツジのピンクの美しい花が満開で全山芽吹きだした木々の中にひときわ鮮やかだ。
 
 先日の小野アルプスのミツバツツジも見事でしたが、ヤシオツツジはピンク色で素晴らしく疲れを癒してくれる。頂上には予定通り11:20についた。なんと頂上の岩の上にもヤシオツツジが咲いていて我々登山者を迎えてくれるのは何とも憎い演出だ。頂上は14人が昼食するには狭いので東岳まで帰り昼食にする。隣りの方から「落合橋に下る旧登山道があり樹林の中で歩き易い」と教えてもらった。今は立ち入り禁止にしているが、ルートもわかり易く地元の人はよく利用しているようだ。岩場の下山を考える。引き返すと1時間のロスがでるが、引き返したほうが早く下山できるので剣ヶ峰へ引き返した。
 下山道は急な下りもあるが歩き易い登山道で難なく下山できた。帰りは心配した渋滞もなく23:20に無事帰着しました。
(報告者:山口 博)




  
十文字小屋で                         三宝山から見た富士山


  
鎖場の難所                                両神山頂上で

  

<感想>
 さすがに朝は寒い。朝食後早々に出発準備完了させ全員勢いよく山小屋を出た。
何箇所かの鎖場を経て大山に到着。三宝山3.3キロ、甲武信岳4.5キロの標識、「あれが八ヶ岳連峰などと説明を聞いて素晴らしい景色に感動!」した。
またまた難所の鎖場……「本当にあそこを登るの!ここを降りるの……」と言っても誰も何も言わない。「当たり前でしょ」という感じ。幾つかの難所を経て岩尻に到着した。本当にうまく名前を付けたのもだ。人間のお尻にそっくりなんだから……

 「あーやっと着いた!やれやれ」と思ったら何とまだ三宝山だ。甲武信岳はまだ先なのだ!しかし、
「甲武信岳よりこの三宝山の方が高い」よと誰かが説明してくれた。そして甲武信岳登頂!派手な看板をバックにして記念写真だ。急登と鎖場の苦労もどこかへ吹き飛んでしまった。仲間の顔はいいし、空気はうまいし満足でした。

 千曲川源流遊歩道は雪が1m残っており、アイゼンを付ける事になった。はじめて装着する。最初は歩き方も慣れなくて大変だったが、アイゼンの威力はたいしたものだ。遊歩道と言うのだから「尾瀬の木道」みたいになっているのかと想像していたが、まさしく自然そのままの道で楽しい道のりだった。「ここが源流か?河口はどこだったかな……長さはどのくらいだったかな……」などと思いをめぐらしたのだが、聞くのも気恥ずかしいので黙っていた。

 この千曲川の水の美味しかった事!3回も飲んだ。もったいないから口づけて飲んだ!
途中、花の名前をいっぱい教えてもらったが、すぐに忘れてしまう。山友会に入って花の話題になるので、殆ど関心の無かった花の名前にも少し関心をもてるようになり、写真を撮る気持ちにもなってきた。こまどり荘でゆっくり温泉にはいりお酒はいつもながら少々飲みすぎた。

 3日目は両神山を目指した。リーダーから激励もあり元気よくスタートしたが、急登に次ぐ急登、鎖場に次ぐ鎖場大変だ。鎖の使い方を教えてもらって少しは楽になった。怖いなどと言ってられないのだ。皆さんに付いて行かないと置いていかれる……ことはないのだが、迷惑かけたらイカンの思い。4月に行った七種山の訓練がよかった。あの時程の恐怖心もなくなり、八丁峠から西岳を経て東岳へ大変な苦労のすえ見事、両神山も征服できた。きれいな花が我々の登頂を祝福するように咲いている。
二つの日本百名山を征服でき、会心の山行になりました。
(秋月康敏)