南アルプス
塩見岳3047m・間ノ岳3189m・北岳3193m
日 時 | 2005年7月6日(水)〜9日(土) 3泊4日 |
天 候 | 曇り・晴れ |
コース | ◆7月6日(水) 新田辺5:50発→豊口登山口11:50(昼食)→三伏峠小屋15:15着 ◆7月7日(木) 三伏峠小屋3:50発→三伏山4:05→本谷山5:00(朝食)→ 塩見岳(西峰)9:00→(東峰)9:20→小岩峰14:10→ 熊ノ平小屋16:00着 ◆7月8日(金) 熊ノ平小屋5:00発→三峰岳7:15→間ノ岳8:25→中白根山10:00→ 北岳山荘10:40→トラバース出合(昼食)12:15→北岳13:15→ 北岳肩ノ小屋14:30着 ◆7月9日(土) 北岳肩ノ小屋5:30発→大樺沢二股7:20→広河原9:30着 |
参加者 | リーダー:西上 サブリーダー:山口 男性:岡部 北村 徳田(康) 寺沢 守口 女性:山田 濱北 西上 深見 染矢 澤田 上杉 河合 駒井 徳田(カ) 合計:17名 |
<山行報告>
◆7月6日(水)
早朝の天候はもう一つであったが、参加者の気持ちが出発時間を早め田辺を発つことが出来た。高速道路もスムースな流れで走れた。ただ鳥倉林道の入口が分かり難く、一寸道草をしたが、1時間早く到着でき早めの昼食をとった。登山道は木の樹林に覆われ皆目見晴らしがきかない。
一路小屋をめざす。小屋を小1時間ぐらい手前にして雨にあったが、道は平坦で助かった。三伏峠小屋は我々のみで貸切であった。「一時の登山ブームも消え、めっきり数が減っている」と小屋主の話。明日は13時間の長丁場。
今日は1時間30分あまり早く着けたので、明日の予定を1時間早めた出発に変更して床についた。
◆7月7日(木)
午前3時の空には星が瞬いており幸先が良さそうだ。小屋主に見送られヘッドランプの明かりを頼りに小屋を出発する。
4時5分三伏山に到着すると下方でライトの光が揺れている。小屋の主人が別れの合図を送ってくれているようだ。我々もヘッドのランプで応える。展望のない道を小さなアップダウンを繰返しながらジグザグの登りが尾根に出る。南の彼方の雲海の中に富士の勇姿が仰ぎ見られた。目指す塩見岳が目前に大きく迫ってくる。不安定な岩場、浮石、落石に注意をしながら西峰・東峰へと登頂。皆で達成を祝う。
360度の展望を満喫できた。北俣岳よりの砂礫の下りは恐怖すら感じる急坂道である。幸い地面が乾いていたから滑りはするものの、雨の日の歩行であれば大変な下り坂である。小岩峰頂上に立って塩見岳を遥か彼方に見ながら、お互い自身の足に改めて感謝する。もうあと1時間頑張ろうと励ましあう。熊ノ平小屋は7月9日よりの営業を山口氏が交渉で2日早めて明けてもらえたので助かった。今晩も貸切である。
東海フォーレストの経営で小屋はしっかりしているが、従業員の対応をはじめ何かに付けて不満がわく小屋であった。小屋の正面に西農鳥岳が大きな山容を見せてくれる。
◆7月8日(金)
天候は申し分ない。風もなく寒くもない、視界は開け快調なペースで三峰岳を過ぎ、ガラガラの石屑のガレ場を登り詰めると広い山頂の間ノ岳に出た。予定を2時間早く登頂できたので、山頂でゆっくり楽しむ事にした。北岳肩ノ小屋まで、普通で3時間30分、我々の予定は6時間。2時30分頃までにつければ御の字である。天候は申し分ない。時間はたっぷりある。こうゆう事は身体や思考に余裕が出来それが元気の源となってくるのを感じる。
北岳特有と言われる高山植物のお花畑が点在しかけると、あちこちでデジカメが活動しかける。それにつれ花博士も相談に多忙の様子である。歩く速度も急に遅くなる。北岳山荘で小休止をとる。いよいよ目指す北岳が頭上に聳え立っている。早めの昼食をとりエネルギー補給もして12時15分登りに入る。あと1時間余りで、富士山に次ぐ日本第2位の高峰に立てるかと思うと胸の高鳴りを感じるとともに、今回の3座縦走登山も終わりかと思うと一抹の寂しさは禁じ得ない複雑な心境である。
鎖場があったり部分的に傾斜の強いところもあったが1時15分全員無事頂上に立った。360度の展望、一面に鮮やかに咲き誇る高山の花々、このような光景を日本の山で見るのは初めてであった。感激した。
2時30分小屋に到着一番乗りである。どこでも好きな場所をと小屋主の言葉に1階奥の間を確保する。早速無事登頂に乾杯。小屋主の予想に反し続々と宿泊客が入ってくるが、180人収容小屋は空き有り。
◆7月9日(土)
広河原を目指して下るのみ。土曜日とあって登ってくる人が意外に多く、譲り合いの連続であった。北岳北面には雪渓が所々見受けられた。9時30分予定通り広河原に下り立った。
(報告者:西上 正)
思い出アルバム
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岡部さん作成
<南アルプス3000m峰の縦走を終えて>
―7月6日―
北岳には以前から登頂したいと念願だったので、喜んで参加しました。
2,3日前から毎日雨が連続的に降り続いていたので、心配していましたが、曇りで快適、平安バスで鳥倉林道へ、そこでいったん昼食をとり、林道を40分くらい歩いたところで休憩。そのとき今まで飲んだことのない栄養剤を飲みました。登山口を午後1時15分から歩き始め、10分くらいしたところで急にお腹が痛くなり冷や汗が出て、目がまわり、もうこれ以上歩けないと座ってしまいました。
皆さんがびっくりして色々介抱していただき、荷物を分担してもって頂きました。私はこむらかえりが激しく、一歩一歩少しずつ歩きました。その後少しでも荷物を持ってみようと思い、一生懸命担いで登る事が出来ました。これも日頃山登りの訓練をしていたお陰だと痛切に感じました。三伏峠小屋で宿泊しました。
―7月7日―
七夕様、朝3時50分に出発、ヘッドランプをたよりにすがすがしい気持ちでなんと荷物の軽い事かと感じながら塩見岳に向かいました。今日は13時間も歩くのだから、しっかり気持ちを持ってと自分に言い聞かせ、塩見岳頂上へひたすら歩きました。イワカガミ、キバナシャクナゲがいっぱい、ミヤマキンポウゲ、雷鳥の親子もしっかり観察できました。
塩見岳頂上は、二つの隆起からなり西岳、東岳とあるが、東の方がいくらか高く、またここから眺めた富士山はとっても素晴らしかったです。男性的な山に見え360度の切れ目のない山々が見え素晴らしい景観です。これから下山するのですが、キバナシャクナゲ、イワカガミ、黒百合他いろいろの花が自分の心の糧なって頑張れました。コバイケソウとフキの中、延々と歩きもう2時間ほどで熊ノ平小屋に着くのに雨が降り出し、皆でカッパを着て歩いてやっと宿泊先に到着しました。
―7月8日―
午前5時、今日は7時間歩きで少しは気分的にも楽になり、間ノ岳へと向かいました。ゴバイケソウとフキの群落の中、鹿に食べられたのかコバイケソウの花芽がちぎられておりました。途中、三峰岳に午前7時10分、間ノ岳に8時30分到着。この山は驚くほど膨大な山で、でーんと座っていて頂上付近の雪渓の雄大さに驚きました。
間ノ岳はゆったりした山容で、北岳より3m低く、穂高岳よりわずか1m低いが、わが国第4位でその図体の大きいのは日本アルプス第1だそうです。これから念願の北岳へ、前方遠く岩壁だけがやたらと連なって、すこしは不安を感じながら向かいました。
山を幾つか登っては下りて大変しつこい北岳、雷鳥をここでも見る事ができました。もう頂上かと思うやらまだまだ大変でした。しかし花がとても綺麗。ハクサンイチゲ、ミヤマシオガマ、ミネウスユキソウ、イワベンケイ、ミヤマオダマキなどから心の糧と頑張る力を与えてもらいました。
今度はひたすら北岳を目指して岩壁を登り、やっと山頂につきました。そのときは感激で涙がでてこの上もない幸せで、本当に登頂できた自分を褒めてやりました。皆さん感激して、手を取り合って大喜びでした。約40分ほど、山頂で喜びを分かち合い下山しました。ハクサンイチゲが素晴らしく、白と所々に赤のシオガマと黄色のミヤマキンバイと色々の花を、お天気もよくてこんな幸せを感じた事はありません。
北岳は、少し控え目で存在感のある山、富士山は誰もが見たいという願望華やかな山、また、北岳は花を楽しませてくれる心の山です。下山して肩ノ小屋に午後4時30分につきました。早速小屋のご主人にキタダケソウを教えてもらいました。夕食までにおしゃべりと、夕方お天気が少し良かったので、ブロッケン現象で自分の姿が向かいの霧の山に映ったのです。とても幸せと喜びを感じました。
―7月9日―
午前5時30分出発。今日はもう帰る日。昨日は白一色(ハクサンイチゲ)が素晴らしく、今日は黄色が一色(ミヤマキンポウゲ)で、タカネグンナイフウロ、チシマギキョウの紫の花がとても綺麗でした。大樺沢を経て広河原に下って帰りました。帰りも大変な道で水が溢れているところなど、なかなか大変な下りでした。駐車場に午前9時30分に到着。そこからバスに乗って、長衛荘の前で乗換え仙流荘へつきました。
4日間の汗を流し皆で乾杯しました。皆様には色々とご心配をお掛けし、また、お助けを頂いた事に感謝いたします。
(駒井紀子)