――若狭――
青葉山 693m


日 時 2005年11月13日(日)
天 候 快 晴
コース 新田辺6:30出発→松尾寺9:40→西峰10:00→
東峰13:00→高野集落14:00→高浜15:30→
新田辺19:00着
参加者 リーダー:志賀  サブリーダ:白波瀬
男性:秋月 金本 佐々木 寺澤 西川 樋口 平松
    山口 山下 弓仲 
女性:伊丹 倉光 杉本 内匠 玉井 徳田(カ) 中村
    濱北 平松 深見 藤富 堀尾
合計:24名


<山行報告>

 定刻の6:30に新田辺を出発、山友会では久しぶりの丹波路。
R9号より福知山インター〜東舞鶴〜R27号を経て松尾寺に9:10頃着く。
バスが着くや否や、無人販売所で農産物のお買い物をする人や、ここは西国29番の札所なので早速、朱印帖に押捺を済ませる方の姿も見られた。各自、家内安全と山行の安全を祈願した後、A・Bの二班に分れて9:40に出発する。

 竹やぶを過ぎ鳥居をくぐるとすぐ急登となり、一段と紅葉が美しく、目の前に大自然が作った雄大な雲海が広がり、幻想的な風景を見せてくれた。両丹地方では、青葉山のほかに大江山・舞鶴市の五老岳でも運が良ければ雲海が見られる。山頂部分だけが雲海から顔をのぞかせ小島が浮かぶ。大海原の素晴らしい光景。ゆっくりと西峰に向かう。ところどころロープや梯子場があり、頂上付近に来ると、日本海の美しい島々が見え隠れ。絶好の登山日和に恵まれ、小休止を入れながら西峰に11時過ぎ登頂。
 
 権現の祠の背後に大岩があり頂上からは内浦湾の美しい海岸線、若狭国定公園の展望が印象的で、青葉山の魅力は、なんと言っても海を眺められる山旅の楽しさです。朝が早かったので昼食タイム、その後恒例の記念写真や西峰の展望を楽しみ12:00東峰に向かって出発。
 
 樹林帯の中、道は起伏に富み岩の間をくぐったり、ハシゴ・クサリ・巨岩あり、気の抜けない難所が続き、約30分後東峰(青葉山の前宮)に立つ。祠があり広場にてB班と合流、小休止した後よく整備された山道を下り、最後の展望台にて再度休憩。全員無事でバスにて帰京。
 当初の計画ではマイカーの利用を考えていたが、マイクロバスに切り替え定員24名のところ、満席となって乗車の際の人数の把握も都合良かった。お世話になった白波瀬・山口さんありがとう。皆様のご協力有難う御座いました。
(報告者:志賀俊二)

  
紅葉の向うに雲海がたなびく                            大岩の上で

  
西峰の権現社で                           西峰山頂から眺めた内浦湾  
(写真提供=白波瀬さん)


――若狭の休火山を歩く――

 『かんなび』にふるさとの富士をシリーズとして掲載し始めた頃、この若狭富士の青葉山を撮影に来た。若狭湾の荒波を前景に海上から競りあがった秀麗な山容は、眺めていても飽きることのない美しさで、寒さを忘れて撮影したことを覚えている。
 古くは、女人禁制の山であったらしい。山名も弥山、鋏山や馬耳山に因んで双耳山とも称されていたらしいが、海辺からそそり立つ姿からは、やはり松の青葉からイメージされる青葉山が一番お似合いの名前ではなかろうか。

 麓には、巡礼西国の観音霊場の29番札所を配置している松尾寺は、西国33ケ寺の観世音菩薩の中でも特異な馬頭観世音を守り本尊としている。奈良時代、唐僧が諸国を行脚し、ここ丹波の国で中国の馬耳山に似た山に霊感を感じ、松の大木の下で経を読むと、金色の馬頭観音像が僧の手に置かれていた。それを安置したのが草創であると言われていて、松尾寺も、青葉山も松に因んで名つけられたものではないだろうか。馬の運搬の主力であった昔は、馬頭観音は交通安全の守り本尊であったことは大いに納得できる。
 また、インドの神話ではヒンズウ教の最高の神が馬頭に化身したとも言われ、いかなる困難も克服する力の源をもっているそうで、パワーの単位にも馬力(1HP=0.75kw)が使われているほどである。馬力の単位は、最近は余り使われていないようだが。
巡礼の心得は無いが、数年前に始めた西国33ケ寺もあと少しとなった。この寺のご朱印もした。

 観世音霊峰の山へは、境内の奥から登った。鳥居をくぐると道は急登になり照葉樹林の山腹をジグザグに行く。高度が上がるごとに紅葉の樹々のハザマから雲海が郷の大地を覆っていて、わずかに高い峰々が小鳥のように見える。ジャコウソウやイカリソウは華やかな時を過ごし葉ばかりで、ムラサキシキブは瑠璃色の実をたわわに付けている。育ちがよいのか大木が多い。青葉山は植物の宝庫で、その数400種余を見ることが出来ると言う。

 1時間余で西峰の奥の院(権現社)に到着した。社の背後に巨大な岩塊が鎮座していて、その上からの展望は好天も幸いして最高の眺望であった。日本海内浦湾の波の静まったリアス式海岸線が美しく、また、振り返れば、眼下に配された集落ののんびりした空間が、田畑と自然にマッチしていて、牧歌的な眺めは、まさに風光明媚な山頂であった。飽きることの無い眺望をほしいままにして、少し早い昼食にした。

 西峰から東峰への縦走は、起伏と変化に富んだ集岩塊の吊し尾根で、これもまた海を伴走にした魅力のある歩きであった。樹木に覆い尽くされてはいるが、青葉山は紛れも無く、火山によって形成された山で、白山火山帯のベルトの上に位置している。集岩塊は火山噴出のとき、岩片が集積固結した火山砕屑岩で、岩片が火山灰で固められているものを集塊凝灰岩という。

 道はロープの岩場、階段の岩場や巨大な岩室(泰澄大師洞)をくぐったりして続いていた。もし青葉山からすべての草樹木をはぎ取ったとしたら、それは爆裂火口の鋭い巨岩、奇岩の嶽になるだろうと想像しながら東峰に立った。振り返る山道から西峰の三角錐がきりりと望まれ、またその美しさに感動した。海を眺めては魚や蟹、鯨の話やカンアオイの花の勲章のような形や色彩談義など、仲間との屈託の無い話は山の楽しみでもあった。

 あずま屋のある展望台から高浜海岸や、大島、内外海半島の今は穏やかな海をながめ、かすかに厳寒な冬の到来を感じながら高野集落に下った。花の季節には是が非でも来たい山になってしまった。ここの固有種である雪割草(ミスミソウorスハマソウ?)を見たいものだと思いながらの山旅であった。海を眺めながらの山旅は青葉山の最大の魅力で、多くのリピーターを、四季を問わず呼ぶのだろうと思った。
(佐々木英夫)

  
巨岩の隙間を登る                            紅葉の中を歩く

  
岩の上で展望を楽しむ                       東峰から高浜海岸を望む