個人山行(福井県)
姥ケ岳




山行日 2004年6月5日(土)〜6日(日)
コース 6月5日(土)
小原林道→登山口→小原峠→大長山→小原峠→
赤兎山→小原峠→登山口
6月6日(日)
平家平登山口→ブナ林→姥ケ岳(ピストン)
参加者 リーダー:橋本寿夫  サブリーダー:橋本香代子


<山行記>
 もう7〜8年も前になるだろうか、オーレン畑が続いていて・・・・と姥ケ岳の記事を読んで、ずっと6月には姥ケ岳へ行きたいと思っていた。 夫が5日6日と休めるというので是非この山に行ってみたいと申し出た。あとの一日は赤兎山とこの冬遭難騒ぎのあった大長山に決った。天気予報は土曜の方が良いので、初日に赤兎を選んだのは正解だった。
 
 赤兎への小原林道を登っていくと警察官や地域の人達が車を停められ「安全登山をして下さい」とチラシと声かけをされていた。登山口の駐車場はマイクロバスや車が多く人気の山をうかがわせる。
 チゴユリやサンカヨウの花、清流などに出会い気持ちよくスタート。小原峠で今日は人が多そうなので、先に大長山へ登ることにする。もう下山してきた人が「林道が閉鎖されていて6月に入って通れるようになって、始めての土曜日で天気も良いし、今日は人が多いのですよ」と教えて下さった。

 大長山へのルートはブナ林が新緑にかがやき、足元はツバメオモトやマイヅルソウが咲き目の高さにはオオカメノキやムラサキヤシオが色鮮やかに咲きほこり、右手には白山、別山、三の峰と雪を残した連山が青空に映えて、どこを見ても感激の連続で久しぶりに快晴の山行が楽しめた。頂上直下はすごい急登でこれに雪がかぶると危険なのが納得できると遭難事件を思う。頂上は広くコバイケソウが沢山あり、すでに花穂の出ているのもある。ミツバオーレンを踏まない様に昼食にする。取立山からのルートがあるのか捜してみたがあまりはっきりしたルートではないように見えた。赤兎にむけ下山。

 ところがこの日は暑い位で小原峠から登りはじめるとしんどくてヘトヘト。よごれた残雪を掘って涼を求めたり、雪解け水に元気をもらってやっと回復。赤兎の頂上には2,3人の人がのんびりされていた。前方に赤い屋根がかわいい。すぐ出発する。階段や木道を歩いて湿原とのことだが、イワカガミが咲き誇っている位であまり花は無かった。人は少なくのんびりとコーヒータイムを楽しんだ。小原峠からの下りで、登りの時よりサンカヨウが美しく咲きほこっていたり、川辺のリュウキンカやニリンソウが美しくやはり太陽のおかげかと思う。

 さて今夜の宿は2週間前の経ヶ岳と同じ、「中の平避難小屋」 16時半も過ぎての到着なので人が多ければ車で寝ようと思っていたのに、私たちの貸し切りだった。まだ明るいので外で食事をしようと、準備をしだしたら「ブヨ」がいっぱい寄ってきて足をチクチク、またたく間にかみつかれ大急ぎで小屋へ、この時かまれたのが次の日にはパンパンに腫れてかゆいを通りこして痛くて2日ほど泣いた。小屋の中は虫に悩まされる事も無く食事をし、夕焼けの山の風景を眺めにドライブしたりしてのんびり過ごした。

 6日早朝から予想外の良い天気でよろこんでいたら、平家平の駐車場に着くとシトシト降ってきて予報が当ってしまった。わりと沢山車があった。登山口を過ぎてすぐセリバオーレンの濃い緑の葉がびっしり広がっている。花は終っていて、近くに居られた5〜6人の土地の人らしき方に尋ねる「この花は自然のなのですか?」「これは栽培するために植えられたもので8〜10年たってやっと掘り起こし、根を薬草として用いられるのだ」との事。引いたあとまた苗を植えられるとかで、すぐ上の方に田植えをした様にきちんと並んで植えられた場所があった。オーレン畑が延々と続くのだが、白い花が一面に咲く頃はまだ林道が雪で閉ざされ、私達は見れないそうだ。

オーレン畑
 全体にブナが多いのだが、「ブナ林」と標識のあるところは素晴らしいブナの広場で、ここまで散策に来る人も多く、また山菜取りの人達もたくさん見られた。もう一つびっくりはオーレンに負けないくらいサンカヨウが斜面をうずめている、これも花は終っていたが、この花も延々続くし、ミズバショウの葉が大きくなって広がっている場所もあった。来年は5月の中ごろぜひ来たいと思った。ユキザサやマイヅルソウも清楚に咲いていた。

 頂上はそう広くなく前方に荒島岳や経ヶ岳などが見えるらしいがガスのなか、うしろは樹林になっていた。帰りに会った人が、今は中国からオーレンが安く入ってくるので、あまり栽培されてなく大野市が持主から買いあげて保存しているのだと話されていた。ふもとには大トチの木林があるとの事で、行ってみるとホウノキやトチの大木がたくさんあってどちらも葉の上に白い花をつけていて楽しませてもらった。そのあたりもフキかと思ったらサンカヨウが広がっていた。雨はやんでいた。
 あこがれの姥ケ岳の一味ちがった山をふりかえりながら、花の咲く頃ぜひまたきてみたい思いを強くして平家平をあとにした。
(記録:橋本香代子)
  
サンカヨウ                             トチの花