日 時 2004年7月29日(木)〜8月1日(日)
天 候 曇り・雨
コース 7/30(金)谷川岳
A班 谷川岳ロープウェイ駅8:05発→天神平駅8:15→
    熊穴沢避難小屋9:05→肩の小屋10:25→トマの耳10:40→
    オキの耳12:00→肩の小屋12:20→熊穴沢避難小屋13:20→
    天神平14:05
B班 土合山の家6:30発→西黒尾根登山口6:55→ラクダのコブ9:15→
    ガレ沢の頭9:25→天神尾根との出合10:50→トマの耳11:10→
    オキの耳11:20→熊穴沢避難小屋13:30→天神平14:14
7/31(土)武尊山 A・B班一緒
 ロッジ青木荘6:30発→武尊神社6:50→駐車場7:20→剣ケ峰分岐7:40→
 剣ケ峰11:15→武尊山12:17→手小屋沢避難小屋14:40→
 剣ケ峰分岐13:50→武尊神社16:50
8/1(日)赤城山  A・B班一緒
 大沼山荘6:10→黒桧山登山口6:25→赤城山7:30→駒ケ岳8:15→
 駒ケ岳登山口9:05
参加者 A班 リーダー:白波瀬 勇  サブリーダー:倉光正巳
男性:藤原、村田、藤富(俊)
女性:伊丹、北川、藤富、内匠
B班 リーダー:西上 正   サブリーダー:上角
男性:金本、志賀、樋口、植西、寺澤、鈴木、
女性:山田、西上、倉光、沢田、
合計  21名(男性:13名  女性:8名)


<山行報告A班>

 A班は、西黒尾根を歩くB班より1時間遅れの7時半に山の家を出發。谷川岳ロープウエー駅迄、マイクロバスで送ってもらう。谷川岳は、東京方面から交通の便が良いことから日帰りコースとなっていて、ウイークデーと台風の影響からか、始発の便を待つ登山客の姿は意外と少なかった。
 やがてロープウエーの運行が始まり、標高1321mの地点にある天神平駅まで所要10分かけて到着した。愈々谷川岳への登山開始。創立25周年の記念登山は、残念なことに濃霧に覆われ風も強く、私たちの願いも空しく誠に残念な思いで明け暮れた。
 1963mのトマの耳の山頂で全員記念撮影の後、バンザイを三唱する。こんなに霧が深いと余りいい写真は期待薄だろう。5年前の利尻岳も同様だった。ここで昼食タイム。食事を終って出発する頃、ロープウエーを利用せずに登ってきたB班の到着を待って、一足先に下山することにする。
 肩の小屋での気温16度が示すように涼しく、あまり汗もかかずに、歩くのには丁度良い気温だった。案内書に書かれている晴天の日の説明を思い浮かべながら下山する。涼しい風が吹き抜けるロープウエー駅を望む所でB班の到着を待つことにした。皮肉にもこの頃になると晴れてきて車窓から暫しの眺望を楽しむ。こんなに高所で新設の架線工事をする人々の姿に敬服し、急峻な斜面を下るスリルを味わいながら、10分間の宇宙散歩を楽しんだ。
(A班報告者:白波瀬 勇)

<山行報告B班>
◆7/30
 登山口はのっけから苔むした急な石道、辺りは深い樹林に覆われていて視界はない。ゆっくりペースで30分毎に小休をとりながら歩いた。樹林帯を抜けると強風に悩まされる。クサリ場も無事通過、ガレ沢の頭を過ぎた頃、雨に見舞われ急遽雨具を付ける。長雨でなかったが、相変わらずガスに覆われ視界はゼロに等しい。露岩とガレ場混じりの急な登り道を浮き石を落とさないように登り切ったところが天神尾根の道との出合であった。
 空には黒い重そうな雲が覆っている。小休のあとトマの耳・オキの耳へと急ぐ。トマの耳にはA班の面々がいるではないか。30分前位に登ってきていたとか。一寸話を交わしオキの耳へと進む。晴天ならば上越の山々の展望に喝采を上げたであろうと思うと残念でならぬ。
 昼食も早々に天神尾根を下山する。ザレ場で滑るので注意をしながら、ザンゲ岩に着いた頃よりガスが切れかけ視界が次第に広がりかけた。暗黒の世界から解放された感じであった。朝、登った西黒尾根の稜線もクッキリと見渡せる。我ながら良くも登ったものと各々実感されたのではないか?ロープウェイを利用すると手軽に登れるコースと案内にあったが、泥道と化した登山道、クサリ場も数ヶ所どうしてどうして手軽な登山道でなかった。予定通り全員で天神平に下山出来たので、湯テルメ・谷川の温泉で汗を流した。
◆7/31
 昨日同様冴えない天候。登山口に着くと雨が落ちてきた。早々に雨具を付ける。雨は強くないがガスで今日も視界は閉ざされたまま、ブナ林の中を高度を上げるに従い木の根の階段、ドロンコ道の酷い山道が上にのびている。分岐から剣ケ峰までの予定時間を20分余分に計画していたが、70分オーバーする難行苦行となった。頂上は強風で視界ゼロ、次に急いだ。天気が良ければ、素晴らしいルートであろうと思いながら、100m下って、250m急登を喘ぎながら武尊山の頂上に全員到着。
 北関東から上越にかけての名峰が見晴らせる位置今我々は立っているが、濃いガスがこの望みを遮っている。残念で堪らない。下山の登山道もジトジト・ベトベト。難所のクサリ場に下りてきた。上から覗くとクサリが三段見える。この難所では体の不自由な生徒を二人の先生がロープで降ろしている最中であった。30、40分くらい待った。その後の下山道も相変わらずのドロンコが続いている。目指す避難小屋が一向に現れず、不安になったが、皆の声で歩を進めると小屋に着いた。80分予定のところ130分を要したが、全員無事下山できた。
◆8/1
 夜明け雨の音に目を覚ます。今日も天候に見放されたようだ。登山口までバスで送ってもらう。雨は止んでいるが、物騒な空模様である。雨具を付け出発。次第に登坂になってくる。南側に視界が開ける細い尾根にあがって来た。ガスがなければ、眼下に大沼の青い湖面の美しい風景が見られたことだろう。黒桧山の案内板が目前に現れた、頂上はもうそこだ。狭い平坦な道が赤城山へ、頂上で撮った記念写真の映りがガスで気になる。
 今回の山行で三名山が無事これで踏破できた。バンザイ、バンザイ。
(B班報告者:西上 正)

<感想@>

―― 一の倉沢 ――
 松本迄は、おなじみのコースだが、更に北上してトンネルの多い上信越自動車道を東へ進み、藤岡市からやっと土合山の家に着いた。当初の予定を繰り上げ、タクシーに分乗してかの有名な「一の倉沢」に向う。あいにく雨模様で全貌は見られなかったものの、雪渓と降雨のときだけ見られるという滝、遭難事故の絶えない急峻な岩場を展望する。この一の倉沢は、北アルプスの剣岳・穂高岳と並ぶ日本を代表する岩場であり、ロッククライマー達の憧れの地として、あまりにも有名な沢で遭難者は後を絶たない。それらの人たちの名前が刻印された碑があり、今後の犠牲者のスペースもあって、これに目をやる時、複雑な心境がした。また付近には、慰霊碑やモニューメントがあって、本人は本望だろうが、家族の心情を思う時、どんな思いでこの地を訪ねた事だろうか。

―― モグラ駅 ――
 山の家に戻って休む暇も無く今度は、モグラ駅の見学に出かける。モグラ駅というのは、上越線にある土合駅(標高、653.7m)から湯沢方面に行く場合、地下へ通じる462段の階段を下り、約10分程歩いて、下りホーム(海抜583m)から乗車する事になります。夕方でもありガランとした階段を降りかけると、駅をネグラにしていると思われる人が案内しようかと声をかけて来て不気味であった。かつては鉄道の乗降客も多かったでであろうが、現在の列車運行本数は上下各5本となり、鉄道の今昔を良く物語っている。

―― 二度と行くまい武尊山(ホタカヤマ) ――
 昨夜相談した結果、今日の武尊山は、一緒に行動することになり、6時半ロッジを出発し武尊神社のところから登山を開始。コースは、剣ガ峰分岐〜剣ガ峰山〜鞍部〜沖武尊山頂〜避難小屋〜分岐〜武尊神社口を歩くことになる。
道はかなり急登で木の根や岩につかまりながら前に進む。武尊山は、深田久弥の百名山に入っているが、なかなか険しい山と言えよう。
 この山は、虫がとても多くて、中には良く好かれるタイプの人もいた。顔のあたりを飛び回るので実にいやなものである。登りこそ、さほど感じなかったものの、下りの道はぬかるんでいて、泥んこ状態だった。こうした悪路なので。転がっていた木の枝をストックとして使い大変役立った。雨天のとき重宝な傘は、ここでは無用の長物、かっぱを着て歩く。幸い気温が低いこともあって汗を掻かないことがせめてもの救いだった。
 剣ガ峰山の手前だっただろうか昼飯にする。朝が早いとお腹がすき、気力も落ちるもの。現金なものでたちまち元気回復となる。疲れた身には、果物がとても美味しいものである。
 この山には、鎖場や梯子が待ち構えていて、しかもボーイスカウトの団体が先を歩いていて渋滞となり、なかなか先へと進まなかった。特にクサリ場では、足の置き場に戸惑って自ずと慎重にならざるを得ない。かくして悪戦苦闘の末、やっと山を降り、そこに現れたのは、藤富さん・藤原さんの姿で我々を迎えに来て下さったわけで非常に嬉しかった。裏見の滝へ行く予定を中止して、先を急ぐことにする。
 昨夜宿泊したロッジの胡瓜の差し入れもあった。難所が多かったにも拘らず、事故もなく無事歩き通した喜びと共に格別の味で美味しかった。

―― 無念の記念山行 ――
 最終日は、赤城山でよく整備された登山道を歩く。創立25周年を記念しての夏山登山として、遥々上州の谷川岳・武尊山・赤城山の三山へ出かけたのだが、夏季は日本海と太平洋の気象を分ける山域で霧が出たら始末が悪い山とか。こうした気象に加えて、台風10号の影響が加わって折角山頂に立っても。一面のガスに包まれて、展望は全く望めなかった。これにもめげず山頂で記念山行を祝い、バンザイ三唱をしたことは言うまでも無い。
 しかも山麓に降りて来ると晴れるという巡り合わせに、アア無情! 帰宅してから先日の例会の至仏山・燧岳のホームページを見るに付け、晴天の下、きれいに撮れた数々の写真が羨ましくなってくる。それに比べて気が重いながらも、写真をプリントしたが、やはり写りは悪く、補正して霧を取り除けないものかな?
 それが無理なら、関係の山の本やパンフレットをひもといて、素晴らしい風景を眺めて感激に浸る事にしよう。午前10時から正午までユートピア赤城で温泉入浴と食事をして疲れを取り、登山そのものは消化不良だったが、各地を訪ねて見聞を広めることが出来、楽しい思い出を残して、京田辺市へと向った。
(白波瀬 勇)


  
谷川岳(トマの耳)でバンザイ                         下山途中でガスが晴れる


  
武尊山でも25周年バンザイ


<感想A>
 今回の夏山は天候に恵まれず、三日間すべて霧と雨に悩まされた日々でした。好天なら谷川岳は素晴らしい山容が見えたと思いますが、下山途中にやっと見えたのは稜線、西黒尾根であった。でも、多くの花は我々の心を和ませてくれました。翌日の武尊山、赤城山も天候は微笑んでくれませんでした。こんな状況下で登山の準備や予定の変更を適切に対応していただいたリーダーの西上さんには大変お世話になりありがとうございました。
(寺澤 淳)

 何とか体調も良くなり、担当医師より登山許可をもらい25周年記念山行に参加した。あいにくのガスが覆い、マイペースでAコースについて行く。何とか行けた! さすがに翌日の武尊山は断念した。赤城山はと思ったが、雨の中の登山も少々恐いので遠慮する。ぼちぼち自分のペースを確かめながら登山を楽しもうと思う。私のわがままを許してくれた西上リーダーありがとうございました。
30周年記念山行を楽しみに!行けるかな?
(藤富俊一)

 今回、最も私の心に残ったのは、JR土合駅、日本一のモグラ駅。改札口から下りのホームに行くのに486段の階段を下らなければならない。5段ごとに踊り場があるので、最上段から見おろすとまるでホームに吸い込まれそうな気分になる。山行前日のトレーニングとしても都合よく、皆で調子よくこの階段を往復した。
 次は、ここ4,5年挫折の多かった私ですが、メンバーの中に「えっ! あんたほんとに至仏も燧ケ岳も登ったんか?」とか「武尊はBコースを歩きたい」と言った私に驚きの表情を隠さなかった人がいた。伊丹さんですら歩いているのだからと、ダウンしそうになった人を元気付ける役目を果たしたのではないかと自負しています。
 担当者の皆様、豊富な体験をさせていただきありがとうございました。
(伊丹立子)