奈良 室生  三郎ガ岳  879m

日 時 2004年10月2日(土)
天 候 曇り後小雨
コース 新田辺駅7:40発→榛原8:44→高井9:25→仏隆寺10:15→
高城山11:20→三郎ガ岳11:50(昼食)→高井14:15→
榛原14:52→新田辺駅16:25着
参加者 リーダー:白波瀬 勇  サブリーダー:藤原克巳
男性:守口 實
女性:上杉郁子  倉光展子  内匠美佐子
一般:頼 礼子  寺崎廣子  守口真理子


<山行報告>
 少子化が進む昨今、男の子の名前に太郎、次郎、三郎と付ける例は少なくなってしまった。この日の山行先は、室生の三郎ガ岳である。ところでお兄ちゃん二人の山は、どこなのだろう?
 それは、いずれも室生山域にある山々で長男は、その名も太郎路のバス停が示すように倶留尊山。次男は住塚山(別名次郎岳)そして三男坊が三郎ガ岳と言われている。

 近鉄榛原駅前から奈良交通のバスに乗り所要10分で高井下車、登山口へのアクセスとしては、短い路線の一つである。コスモスの花が咲き競う集落が見えてくると仏隆寺である。今年の4月にこの地を訪ねた山行では、折しも樹齢900年の満開の桜を堪能したと言う。石段を登りその巨木を振り返ると11本の株が分かれ、県下で最も大きく、しかも最古の桜とか。一帯に咲き乱れていた彼岸花は、既に散り果てていた。

 仏隆寺を後にして急登の山歩きがスタート、まずは高城山815mそして三郎ガ岳879m、今日は涼しく足取りも軽い。下見に出かけた日は、汗びっしょりで一息入れながら登ったのとは大きな違いである。しかしバスから降りた頃は、薄日が差していたのだが、ガスが立ち込め展望はダメ。そして小雨が振り出した。ヤッパリ今年は…晴れていたら360度の室生火山群を望めたのに…。

 三郎ガ岳で傘をさして食事を済ませ、記念写真そして恵まれぬ天候への思いを込めてバンザイ三唱をし、下山となった。山行中には伊勢街道で1人見かけたほかは私たちだけで独り占め、心なごむ山村風景を楽しみながら伊勢街道を下り出発地の高木のバス停に着いた。そこには朝同じバスだった歴史散歩の中高年のグループと合流した。
(報告者:白波瀬 勇)


<感想>
 近鉄榛原駅で下車しバスに乗換え、高井で下車。さっきまでの空模様が少し変わって明るくなってきた。各自軽くストレッチをして9時30分に出発。歩きはじめると、すっかり青空になり皆で空を見上げる歓声を上げる。
 稲を刈り取られた田んぼ。その稲を自然乾燥させる為の稲木。風に揺れるススキの穂。そして大輪のコスモスの花。どこを見ても秋一色。いつもの山行は、歩くのに精一杯で景色など見ておられない事が多いが今日は違う。思いっきりキョロキョロし、写真をとったり、おしゃべりをしたり本当に楽しい。それに本日参加の一般の方々ともすぐに打ちとけて、おしゃべりが始まる。我が山友会に入会されるといいのになー。

 10時10分仏隆寺に着く頃、再び空が怪しくなってきた。高城山登山口で水分補給、やはり秋そんなに喉は渇いていない。雨が少し降ってきたけどまだ雨具を着衣する程でもない。11時14分頃高城山着。でも残念な事に視界はゼロ。晴天ならば高見山、生駒山、金剛山、葛城山等が見えただろう。
 風もなくムシムシして暑く大汗をかくが、でも、やっぱり汗をかく事は気持ちが良い。山に登っているんだって実感がする。11時45分三郎ガ岳に着く。ここで待望のお昼。なぜ待望かと言うと、私、山で簡素なおにぎりのご飯を食べるのが大好きなのだ。雨脚が少し強くなってきたので、それぞれ樹の下に座りこみ傘をさしながらの昼食。もう少しゆっくりここに居ても良いが雨も降っているので下山を決める。雨具を着て歩くのは嫌だけど、途中でガサゴソするのは大変なので雨具を着衣した。

 12時25分発。今度は鎖を持ったりしてただ下るのみ。雨具を着けたり、滑らないように足元ばかり注意していた為か、石割峠への分岐を見失ったのか、12時55分に林道に出た。もう雨は小雨。伊勢参宮本街道をのんびり歩いて高井バス停に14時15分着。その頃には雨はすっかり止んでいた。
 今日はのんびり、ゆったりとした山行でもう少し歩いても良かったかな、とも思ったが、でも気持ちのよい一日を過ごす事ができました。リーダー他皆様ありがとうございました。
(上杉郁子)


 バス停から少し山に囲まれた農村へ入ると棚田がとてもきれい。あぜ道の草刈もきちんとされているようで維持するには大変だなあと感心しました。山には杉が整然と真っ直ぐにのびている。手入れの行き届いた植林の木立もとてもきれいです。静かで心落ち着く風景です。
 朝は晴れてきそうな空だったのに、三郎ガ岳に登っていると雨が降り出してきた。また雨かとつぶやきながら急勾配の登山道をあるいた。それでも山頂に着くとほっとする。頂上からの景色は何も見えず残念でしたが、木の実の観察やのどかな農村風景を見ることができ楽しかったです。
帰り道、大きなグミを見つけたと思っていたら、「それは なつめ よ、食べれるよ」と教えてもらい、初めて食べました。りんごのようでした。懐かしい味といって食べている人もいました。見上げると大きな樹で赤褐色の実が一杯なっていました。
でもこの「なつめ」は誰か持ち主がいるでしょう? 黙って取ったりしてゴメンナサイ。
(内匠美佐子)



  
三郎ガ岳山頂                    石段を上がると仏隆寺


昔を感じる懐かしい風景