伊賀大和を一望する
神野山
(こうのやま)〜鍋倉渓(なべくらけい)

日 時 2003年10月11日(土)
天 候 曇 り
コース 新田辺8:20発→近鉄奈良9:14→登山口10:35→神野山11:25(619m)→
森林科学館13:25→鍋倉渓13:50→めえめえ牧場14:40→
北野15:50→近鉄奈良17:18→新田辺17:53着
参加者 リーダ:白波瀬   サブリーダ:小山
男性:藤原 片山 山口 森本 
女性:深見 河野 内匠(美)
一般参加:徳田(誠) 小山健太郎        合計11名


<山行報告>
 当初の山行予定(9月13日)は、台風の影響で奈良県北部の降水確率は60%との予報なのでやむなく中止。
しかし予報とは裏腹に当日の天気は、皮肉にも晴れだった。下見に出かけた頃は、残暑厳しい真夏日にもかかわらず涼しい風が絶えず吹き、しかも快晴、山頂からの展望を楽しみ、木陰の多い道を歩き、疲れを癒してくれた。
 まるで奈良の軽井沢とも言える? 神野山への思いが捨てがたく、10月に再度山行を組み入れて今日を迎えたいきさつがある。
再チャレンジのこの日の参加者は、11名で奇しくも山行日と同数、山名と同じ名前の参加者もあって楽しい山行となった。
 中腹での休憩のひととき、手作りのお菓子や珍味のイタドリの漬物に舌づつみをうち、少し手を加えればこんな事も出来るのだなと感心する。
 やがて神野山の山頂に着く。低山にあってこれだけの眺望の素晴らしい所は稀で、しかし、残念なことに風も強く、空模様が怪しくなってきたので先を急ぐ。
 森林科学館で昼食タイム。今日はこの寒さも手伝って暖かい飲物が有難い。改めて季節の移り変わりを感じる。森林科学館や映山紅の施設では、展示物をゆっくり見学すればいいのだが、何しろ登山靴なのでスリッパに履き替えるのがつい億劫になり、とれとれの農産物のお土産を買って出発する。
 歩き始めて間もなくアケビを発見、久々に秋の味覚を目の辺りにして心ときめかせて収穫する。食べる物が豊かでなかったあの頃、山でとって口にした思い出がよみがえる。この地方では、軒先に薪が積まれていて昔にタイムスリップした感じがした。
 めえめえ牧場では、私たちを羊達が出迎えてくれた。羊毛館で加工の作業は、見学できなかったものの、職員が親切に作業の工程を説明してくださった。
 帰りのミニバスでは、運転手さんの楽しい会話のやり取りを聞きながら奈良駅へと向かった。
(報告者:白波瀬)

    
神野山山頂                                        鍋倉渓

    
 めえめえ牧場                                羊毛館で羊毛加工を見学

<感想>
 神野山は山添村にあり、「月ヶ瀬、神野自然公園」として整備に力を入れているのか、登山道もしっかりし道標も明確だったが、あまりに連絡道が、整備されすぎて、周囲の景色に見惚れていると間違いやすい。
 山添村は確かに名の如く、山また山の山の中だ。快晴ならば北に笠置山系、東は鈴鹿、西は奈良の青垣、南に額井・貝ヶ平山等の稜線が見えるはずだった。それにしてもゴルフ場の多いこと異常だ。
 山頂のこんもりとした王塚の森は、古墳か経塚か? 千古の謎とはうれしい。この付近はつつじの名所で5月の季節だけはバスも一杯だという。食事をした大和茶テーマ館、森林科学館、めえめえ牧場と羊毛館等はちょっと中途半端な設備だと感じた。また、暗くて見えにくい磨崖仏の塩瀬地蔵、林間からちらっと見える旧伊勢街道・大師の硯石、そして大小の黒色の溶岩が重なり合っている鍋倉渓の奇観と、周囲から見ただけでは判別できない天狗岩を眺めた。
 この山里には美しい幾何学模様の茶畑があり、子供づれでのファミリーハイクとして絶好の所と思う。ところが、「首都圏機能誘致」の看板には、場違いで亡霊を見たような気がした。
 バス待ちの間に見学した、山の中腹にある重要文化財の天神社は朱彩りの小さな春日造りのお社が美しい。
新しい道路に分断された参道のため、集落内に取り残された大鳥居が、いつまで建っていられるのかと気になった。
帰りのバスは、貸切状態で運転手さんとの会話は考えさせられることが多かった。
(藤原)