夏山シリーズ@ 南アルプス
赤石岳・荒川三山 縦走コース
日 時 2003年7月17日(木)〜20日(日)
コ ー ス 7/17(木) 京田辺市6:30出発→椹島14:20着
7/18(金) 椹島3:50出発→千枚小屋9:40→悪沢岳12:40→中岳避難小屋14:05着
7/19(土) 中岳避難小屋6:25出発→荒川小屋7:35→赤石岳9:45→赤石小屋12:15着
7/20(日) 赤石小屋5:30出発→椹島9:00着→赤石温泉13:45着→京田辺市22:30着
全 行程 約23km
天 候 曇り〜雨〜晴れ
メンバー リーダー:中島 サブリーダー:金本 記録:志賀
計3名
<山行報告>
今年の夏山は地域に別れたが、その一つ南アルプスの「赤石、荒川三山縦走」コースをテント泊でと集まった6人の内3人が小屋泊まりで参加することになった。すでに小屋泊コースではA,B班二つのパーティーが出来ており、C班として同コースをとり体力のある一日目に荒川小屋まで歩こうと椹島を暗いうちに出発した。尾根筋へ上がると後はだらだらの登り道を7時間で千枚小屋に着ける。
途中樹間から赤石岳が見られ、しばらく歩くと千枚、悪沢岳も見えたが下の方から雲が上がって来ており、この天気は長続きしないと思った。ハイマツが出てきて急坂を登ると千枚小屋だ。ここまで一人とすれ違っただけの静かな路を歩いてきたが、千枚小屋も静かだった。水を補給して頂上へ向かう、斜面に高山植物が広がり、ハイマツとシャクナゲ、色とりどりの花とすれ違う。ゆるい登りで丸山を越へ悪沢岳を登る。異様な形の岩が山頂を覆い悪沢の名前がなんとなくぴったりという感じがするが、シャクナゲ等が岩の間に点在し雰囲気を和らげている。山頂はガスに覆われ遠望はまったく効かない。
椹島をスタートして9時間、3人とも疲れが出てきている。総合的に判断して今日は中岳の避難小屋までとして、ここからはゆっくり歩いても1時間半で到着できるので斜面に広がるお花畑を楽しんだ。急なガレ場を下りると中岳への登りだ、もう小屋が見ええるだろうときつくなった斜面を越えると避難小屋だ。ここで高山裏避難小屋から来たという2人が休んでいた。せまい小屋の中は管理人が一人と登山者が一人休んでいた。我々3人もお茶とビールで一休みした。約1時間休憩してもまだ3時前だ、明日の天気がはっきりしないので今のうちに中岳に登っておこうと小屋を出る。5分もかからないで頂上だ、若い登山者のパーティーが休憩中で周りの山を見ていた。雲が西から東に飛んでいるように流れている。東の空に富士山が頭を出しているのが見えた、悪沢岳や千枚岳が雲の流の間から時折現れる。南方には前岳が見えだした、「あなたたちは付いているよ」と先行パーティーのメンバーに言われ、写真のシャッターを押してもらう。そして前岳の左側に赤石岳が雲海の中から黒い姿を見せ出した。まだ早いので前岳まで行って小屋に戻った。簡単な夕食を小屋に頼んで済ませ7時頃には寝た。夜半から風が強くなり小屋を震わすほどだった。
19日の朝4時頃、まだ風は強く視界は悪く早く出発しても仕方がないので、もう少し寝てゆっくりしてから出た。中岳からの視界はゼロ、昨日登っておいてよかった。強風も前岳のトラバース路に入るとこなくなり歩き易くなり花も見られた。荒川小屋の手前で大きな富士を見られたのもラッキーだった。小屋を過ぎて大聖寺平に出るまでは快調だったが、尾根に出るとやはり強い風の中を歩いた。小赤石岳までの登りは長かった。コルにザックを置いて赤石岳の頂上に向かう、軽くなった体は風に吹かれて飛ばされそうなときもあったが無地到着し、記念写真もそこそこにコルに戻った。
コルからの下りは急坂を30分ほど、所々に花も見られたゆっくりしている余裕はない。急坂を過ぎると富士見平までの長いトラバースで、すれ違いの登山者に声をかけて赤石小屋までの時間を聞き確認しては自分を励ました。突然前が開け小屋に着いた。入口を入ってびっくりした、内匠さんが昨夜の強風を避けてテントをたたみ今朝小屋に移ったのだ。まだ昼過ぎなので小屋には8人だけでゆっくりと昼食を食べることが出来た。4時頃から外が明るくなってきて時折赤石岳が見え隠れして雨もやんだようだったが、5時過ぎには小屋正面に聖岳がその全容を現し、赤石、悪沢、千枚岳と次々雲の中から姿をあらわした。
20日5時前、真赤な太陽が小屋の後から上がってきた。今日は良い天気になりそうだ。早く下山して10時台のバスに乗れたらいいなと、5時半に小屋を出て椹島に向かう。荷物の重い内匠さんにはちょっとペースが早すぎたのか遅れ気味だったが、橋本さんの迎えもあり9時には皆が待つ椹島に到着した。
(報告者:中島貞夫)
赤石岳 テント泊コース
日 時 2003年7月17日(木)〜20日(日)コ ー ス
コ ー ス 7/17(木) 京田辺市6:30出発→椹島14:20着
7/18(金) 椹島6:00出発→樺段10:20→小ピーク13:00→赤石小屋テント場(2400m)14:00着
7/19(土) テント場7:00出発→富士見平7:30→らくだの背手前9:00撤退→テント場11:00着
7/20(日) 赤石小屋5:30出発→椹島9:00着→赤石温泉13:30着→京田辺市22:30着
天 候 曇り〜雨のち晴れ
メンバー リーダー:M.T サブリーダー:K.T 計2名
<山行記録>
7月17日(木)―――――
早朝6時30分、京田辺を出発して南アルプスの登山口である椹島には14時過ぎ到着。
車は高速道路を降り、大井川沿いをどんどん遡り山奥に入っていく。途中、大井川鉄道を走るSLの汽笛を聞き懐かしきふるさとの哀愁を感じた。その昔川を渡る旅人が苦労した大井川、今は上流のダムにより水量は少なく川幅の広さが目立つ。車窓から眺める山々は所々崩れ斜面をむき出している。
7月18日(金)―――――
5時朝食を済ませ、6時椹島ロッジを出発。我々テント組二人の今日の行程は赤石小屋まで。
荒川縦走組とは反対の東尾根コースである。赤石小屋のテント場で連泊をして、赤石岳のみを楽しむ計画である。テント泊装備での荒川縦走に体力的自信がなかったこともある。
ロッジの裏を通り登山道に入る。いきなり急登りが続く。瞬く間に汗が滴り落ち、先が思いやられる。整備されたヒノキ林の急斜面をジグザグに一歩一歩登る。度々休憩をとる二人だからすぐに休む。ふと足元にある巨大松ぽっくりを見つけた。すぐさま辺りをキョロキョロして、あちこちに落ちている巨大松ぽっくりを拾い集めた。シラビソの球果とおもうが異常な大きさにびっくりした。その後、コメツガ、カラマツ等の球果を拾い集める楽しい山登りとなった。すぐに袋一杯になり、「そんなに集めてなにするんや」という夫に笑われました。
旧林道を通過すると今日の行程の半分である。赤石小屋まで3時間の看板にため息をつき、再び急坂を登り続ける。枯れ木越しに千枚岳方面、反対の聖岳方向を仰ぐが、ガスで何も見えない。横に聞こえていた沢の音が徐々に下方になって行くことで、随分高度を上げたなと感じる。シラビソの樹林帯の中は、いろんなキノコが傘を広げている。可憐な花は少ないがギンリョウソウ、キンリョウソウが咲いている。頭を上げると樹木の枝にはサルオガセがたくさんぶら下がっている。ちょっと引っ張ると枯れ木にしっかりくっついている。「あぁー生きているんだ、ゴメンネ」と首をすぼめた。
尾根の小ピークからも稜線は何も見えず、今日は雨が降らないだけでもましと納得しながら、やっと赤石小屋に14時到着。テントを張り明日の赤石岳への準備をして、寝入ったが夜中になるにつれ風雨が激しく、私はほとんど寝られなかった。夫はいつものことながら横でグーグーいびきをかいて寝ている。
7月19日(土)―――――
朝5時、空模様は芳しくない、今にも雨が降り出しそうである。7時日帰り装備で出発。
富士見平では360度ガス、ここでは朝日に映える赤石岳と、富士山を見る予定だったのに何も見えず残念です。とうとう雨が降ってきた。1時間ほど進んだが、雨が本格的になり、濃霧で視界効かず、この地点で撤退を余儀なくされた。あと少しで赤石岳に到着できるというのに……
テント場に戻り今夜は小屋で泊まることにした。早々にテントを撤収し小屋に入る。午後2時頃、荒川岳から到着された縦走組の中島会長グループと合流し、山での様子を語り合った。夕食後、ガスの切れ間から千枚岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳等を見ることができ少し慰められた。そして登頂できなかった赤石岳の山容を写真に収めました。
7月20日(日)―――――
早朝5時30分椹島に向けて下山。今度は苦手な急斜面の下りです。中間地点辺りまでは順調でしたが、だんだん足の踏ん張りがきかず滑ってしまう。縦走組には付いて行けませんでした。
9時10分無事、椹島ロッジに着きほっとしました。なんと天気は快晴です。
(報告者:M.T)